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異動や転職… 新しい職場の上司・同僚はこうツカむ!

エグゼクティブ専門の転職エージェント 森本千賀子

最初のあいさつは意外に重要なポイント。写真はイメージ=PIXTA

 もうすぐ4月。転職して新たな会社に入社する、あるいは異動や転勤によって新しい職場に移る人がたくさんいます。新たな職場で活躍するためには、早い段階で環境に溶け込み、人間関係を築くことが大切。そのために、入社・異動してまずやるべきこと、ビジネス上の「ツカミ」は何かをお伝えしましょう。

相手が話しかけやすい「ネタ」を提供する

 転職あるいは異動・転勤によって新しい職場に入ったら、なるべく早く新しい環境に慣れ、職場のルールや業務フローを覚えることで、本来の力を早期に発揮できるようにしたいものです。そのためには、人間関係を早く築くことが大切なのは言うまでもありません。

 しかし、入社・異動したばかりの時期は、なんとも居心地の悪い思いをすることもあるものです。遠巻きにそれとなく観察されたり、会話しても微妙に距離を置かれたり。自分から積極的に話しかけようにも、どう話題を選べばいいのかわからない。お互いにぎくしゃくした状態が続いてしまうこともあります。

 ところが、入社初日から周囲のメンバーとスムーズにコミュニケーションをとれるようになる方法があります。それは実はごく簡単なこと。必ず設けられる「自己紹介」の時間を最大限活用するのです。

 新しい職場に入り、朝礼やキックオフミーティングなどの場で、「〇〇さん、自己紹介をお願いします」と振られたら、あなたは何を話しますか?

「〇〇と申します。これまでは××社(××支社・××部)で□□業務を担当していました。これからは△△を担当します。どうぞよろしくお願いいたします」

――と、ここまでで終わってしまう人が意外に多いものです。でも、これでは新しい同僚たちとのコミュニケーションにはつながりません。

 自己紹介の場では、同僚たちが思わず話しかけたくなるような「ネタ」を自分から提供することが大切です。あまり難しく考えることはなく、例えば、出身地・出身校、得意なスポーツ、学生時代のサークル活動、家族構成、趣味や特技、休日の過ごし方、好きな映画や本などで大丈夫です。

 どれか一つと言わず、多くの情報を発信すると、同僚たちはその中から自分との共通点や共感ポイントを見つけて、向こうから話しかけてくれるようになります。

  • 「〇〇県××出身です」
    →「私も。学校どこ?」「友人がいる」「旅行に行ったことがある」
  • 「学生時代はサッカーをやってました」
    →「僕も。ポジションどこ?」「どこのサッカーチームが好き?」
  • 「2歳の娘がいます」
    →「うちの子も2歳。イヤイヤ期が始まって大変なんだけど、君んとこはどう?」
  • 「映画が好きで、最近では○○を見て号泣してしまいました。俳優では××が好きです」
    →「私も見た。どのシーンが良かった?」「あの俳優なら、この作品も面白かったよね」

 新しい同僚たちも、早くあなたと打ち解けたいと思いつつ、どういう人かわからないのでどう話しかけていいのかわからない、といったことがあるはずです。なるべく多くのメンバーに「会話の糸口となる共通点」を発見してもらえるよう、さまざまな「個人情報」を発信しましょう。

 そうした「共通点」から会話が始まると、親近感を持って距離が縮まります。すると、わからないことがあったときに質問がしやすくなり、相手も快く教えてくれるでしょう。結果、仕事を早く覚えて、成果も早く出せるようになるというわけです。

率先して語るべきは「好きなこと」「得意なこと」

 自己紹介をするとき、優先的に取り上げたい話題は、「好きなこと」「夢中になっていること」です。

 その効果は、大きく2つ。1つには、好きなことを語るときは表情がイキイキと輝くので、おのずとポジティブな印象を持ってもらえます。自分自身の緊張を和らげる効果もあるでしょう。

 2つめのメリットは、相性の良い人が向こうから近づいてきてくれること。好きなこと、夢中になることには、あなたならではの「価値観」が表れます。経歴や家族構成といった表面上のデータではわからない「人となり」を感じ取ってもらえます。そこで、あなたと「気が合いそう」と感じた同僚が話しかけてくれるので、早い段階で社内に「仲間」を見つけることができます。

 また、自分が「得意なこと」「豊富な知識を持っていること」を発信すると、それを「教えてほしい」という人が近づいてきてくれます。

 例えば、「ラーメン通です。〇〇エリアのラーメン店は制覇しているので、おいしいお店なら僕に聞いてください」とか、「趣味でファイナンシャルプランナー資格を取りました。特に外貨預金には詳しいです」など。少しの工夫で、「話を聞きたい」「相談したい」と話しかけてもらえる確率がグンと上がります。

印象づけたいなら「ギャップの魅力」を演出

 メンバーが多い職場で、自分をしっかり印象づけたいのであれば、「ギャップ」を見せて興味をひくのも効果的です。見た目や経歴から他者があなたに抱くイメージを打ち崩すような側面があれば、ぜひそれを紹介してください。

 コワモテでいかつい男性が「スイーツが好きです」「ピアノが弾けます」、地味で堅めの印象の人が「学生時代はパンクバンドでドラムたたいていました」、きゃしゃなお嬢様タイプの女性が「空手の有段者です」といったように。第一印象とのギャップでインパクトを与えれば、覚えてもらいやすくなるものです。

 どんな人も、何かしらそうしたギャップを持っていると思います。ぜひ「こう見えますが、○○なんです」をアピールしましょう。

実績より「志」や「思い」を伝える

 自己紹介では、いかに自分が優れた実績を上げてきたか、高いスキルを持っているかを語りたがる人も見受けられます。「早く認められたい」「頼ってもらいたい」という気持ちもあると思いますが、「自慢話」と捉えられてしまうと、心の距離が離れてしまいます。

 それよりも大切なのは、「志」や「思い」を語ることです。

 これまでの仕事で大切にしてきたこと、心がけてきたこと。何をやりがいとし、どんな仕事を楽しんできたか。そして、新たな職場ではどんな目標を掲げ、何を実現したいのかを伝えましょう。

 「そんな思いでこの会社(部署)に来てくれたのか。そうであれば、一緒にがんばりたい」と思ってもらえるはずです。また、その職場がマンネリムードに陥っていた場合、新しく加入したあなたが志や思いを語れば、同僚たちにはとても新鮮に映るはずです。既存メンバーに良い刺激を与えれば、それはその職場での最初の「成果」となり、上司からの評価にもつながることでしょう。

ちょっとした心がけで、受け入れられやすくなる

 新しい職場に入ってしばらくの間は、以下のようなことも心がけてみてください。同僚はあなたの行動をしっかり見ていますので、「この人となら一緒にやっていけそう」と思われるようにしたいものです。

あいさつは自分からする

 当たり前のことに見えて、実はできていない人が多数。特に年下の同僚に対しては、自分からはあいさつしない人が多く見られます。相手から言われるまで、一人ひとりと目を合わせ「おはようございます」「お疲れさまです」と声をかけてください。

朝は早めに出社する

 出社時間は意外とチェックされているものです。人より早めに出社するだけでも、意欲を感じてもらいやすくなり、好印象を与えられます。

雑用を率先して引き受ける

 新しい職場では、どうしても「即戦力」として動けないことも。そこで、会議の議事録作成や資料のコピーなど、皆が面倒がるような雑務を積極的に引き受けることをお勧めします。特に、それなりのキャリアを持つ人物が雑用をいとわずにこなす姿勢を見せれば、好感を持たれ、尊敬されます。

素直に質問する

 プライドが邪魔をして、質問ができない人も少なくありません。特に年下の人に教えを請うことができない人も。けれど、素直にものを尋ねられる人、アドバイスに耳を傾けられる人のほうが人間関係を早く築けます。

 こうした行動ができる人は、周囲の協力を得られ、仕事においても早く成果を上げられるのです。

森本千賀子

 morich代表取締役 兼 All Rounder Agent。リクルートグループで25年近くにわたりエグゼクティブ層中心の転職エージェントとして活躍。2012年、NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演。最新刊「のぼりつめる男 課長どまりの男」(サンマーク出版)ほか、著書多数。

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