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出典:NIKKEI STYLE 出世ナビ 次世代リーダーの転職学

40歳からの転職、面接は自分を売る「商談」スタイルで

経営者JP社長 井上和幸

40~50代の転職面接は商談をイメージするとうまくいきやすい。画像はイメージ=PIXTA

 人手不足を背景に40~50歳代の転職が活発になっています。日本人材紹介事業協会がまとめた大手3社の実績によると、2017年4~9月期における41歳以上の転職者は12年前の4倍を超えるそうです。しかし、企業側が重要な即戦力幹部や経験豊富なエキスパートとして期待を寄せる一方で、その企業側の期待値と、この世代の転職応募者の姿勢に、多くのミスマッチが起きています。いったい何が、どうずれてしまっているのでしょうか。ズレを修正して転職に成功するための処方箋は――。

大人が面接で最もやってはいけないこと

人材紹介大手3社の転職紹介実績(日本人材紹介事業協会)

 40歳代や50歳代の採用を積極的に進めているのは、特に中堅企業やグローバル化に熱心な企業です。理由としては、バブル崩壊後の就職氷河期(1993年~2005年)に新卒採用を手控えた各社が、その後遺症で40代のミドルや幹部世代層が薄い、不在という人員構成になっていたり、事業構造の変化やグローバル化に対応しようとしたときに社内にそれを担える人材がいなかったりということがあります。

 40歳代、50歳代にとっては大きなチャンスが到来しているわけですが、ではその当人たちは、どのような転職活動をしているのでしょうか。実は、この世代の転職活動を支援する中で、「ちょっと困ったなあ」「これではなかなかうまくいかないな」という方々には共通項があります。

 それは、「まるで第二新卒や中堅社員のような転職活動をしている」ということです。具体的には、面接で若手や中堅世代と同じような応対になっていたり、彼らと横並びになろうとするプレゼンテーションをしてしまったり……。

 まだまだ「転職の35歳限界説」のイメージも残っているのでしょう。「もうこの年齢ですので、ぜいたくは言いません」とか、「これまでの経験にこだわらず、なんでもやります」とか、こんな言い方をする方が少なくありません(余談ですが、転職活動の序盤でこのように過剰に謙虚だった人ほど、いざ良い話が進むと、最終段階で「年収は現職・前職以上はキープしたい」「役職をつけてくれ」などと要求が大きくなる傾向があります。興味深いところでもありますが、正直困ってしまいます)。

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 もちろん、年の功などとばかりにふんぞり返っているようでは困るのですが、さりとて、若手社員のようなポテンシャル採用ではありませんから、あまりに殊勝にへりくだられても、採用する側の立場はちょっと不安になってしまいます。「いいオトナ」が、面接でへりくだる姿は、面接官である経営者や事業責任者、人事担当者にとっては、「貧相」に見えるだけで魅力半減なのです。

 では、どのような姿勢で転職活動に臨めばよいでしょうか。

「商談のような面接・面談」を目指す

 私がこの世代の方々に常々申し上げているのは、

「面接に臨む際に、転職活動と思わないでください。商談に赴いたと思ってください」

ということです。「え、どういうこと?」と思われるでしょうか。

 「さあ、いよいよ転職活動だ」と力んで面接に臨まれると、皆さん、いわゆる「自己アピール」に頭がいき過ぎてしまいます。職歴書を見れば分かるようなプロフィルを長々と話し続けたり、応募しているポジションとは関係の薄い話が多くなったり、話が抽象的だったり、結果的にかなり雑ぱくな説明で終わってしまったりするものです。

 しかし、40歳代、50歳代に求められていることは、具体的な職務遂行力や専門性、それらを通じて期待できる即戦力性です。そして本来、面接に進んでいる皆さんは、平素、職場でそれらを発揮しているからこそ、現在までやってこられているはず。その持てる力をなるべく面接・面談の場でアウトプットしていただくための一つのフックが、「商談だと思って臨む」ことなのです。

想定外のツッコミにシドロモドロになる人も。画像はイメージ=PIXTA

 また、皆さん案外気づかないのですが、面接時に自分のことを話すのに一生懸命になるあまり、相手のことを全く聞いていないケースが非常に多いです。なまじ転職活動に慣れてくると、パターン認識のようなものを身につけてしまう方もいます。まず職歴を若手の頃から話し、転職理由を話し、志望動機を話し、と、「転職活動オウム」状態で、相手の面接者がパターンと異なる質問をしたり、経験したことのないツッコミを受けたりすると、頭が真っ白、シドロモドロで撃沈という笑えない状況もしばしば見かけます。

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 若手や中堅ならそれでも許容されることはありますが、ミドルやシニア層の方が、いっぱしの俯瞰(ふかん)したコミュニケーション力をお持ちでないと、「この年齢でこれでは、ちょっとなあ……」と鼻白んでしまいますよね。しかし、大丈夫です。これらの失敗パターンは、あなたが「商談型の面接」を会得していれば、無理なく回避できますので。

改善・改革できることが見えたとき=採用決定

 商談であれば、あなたは相手(のクライアント)に対して、「いま御社には、どのような課題がおありですか」「今後、どのようなことをされたいとお考えですか」といったテーマ設定から入ります。そして、相手と「会話」して、その上で先方が求めることに対して、「なるほど。であれば、このような形で解決できると思うのですが」「○○を導入されると良さそうですね」といった「提案」をするはずです。これこそが、40~50歳代の転職活動で求められていることなのです。

 この世代の方が、転職において、転職先企業で実現すべきは、「あなたという人材が、先方が今回求めているポジションに就き、その職責において、テーマ・課題の解決を成し遂げる」ことです。

 そもそも、企業が40歳代、50歳代をわざわざ外部から招聘(しょうへい)するということは、自社のなにがしかの事業や部署を「変革・テコ入れ、ストレッチ、新規立ち上げ」のいずれかをやろう(やらねばならない)という状況です。「ただ椅子に座る人」を採用するはずがないということを、念のため、しっかり認識してください。「応募するポジションを通じて、あなたが改善・改革できることが見えたとき」が、採用が決定されるときです。

 もう一つ、「商談型の面接」の良いところは、「普段のあなた」が相手に見えることです。前回記事の「『転職オファー殺到』が成功につながらない本当の理由」でも紹介しましたが、最終的なご縁は、「人間性的な部分でのフィット感」(一緒に働きたいと思えるか否か)と、「ご本人の情熱、コミットメント」(任せた職務を困難を乗り越えてでもやり遂げてくれそうか否か)の2つをしっかり感じられるかしだいです。

 ぜひあなたの「普段の姿」を応募先企業に見せ、ミスマッチのない新天地を獲得できることを願っています。

井上和幸

 経営者JP社長兼CEO。早大卒、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、リクルート・エックス(現リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。「社長になる人の条件」(日本実業出版社)、「ずるいマネジメント」(SBクリエイティブ)など著書多数。

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