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経営層・管理職の47%が「転職失敗」 その理由と対策

経営者JP社長 井上和幸

経営層・管理職の約4割が「転職後に失敗したと感じたことがある」と回答。写真はイメージ=PIXTA

経営者JP総研が12月3日に発表した「エグゼクティブの転職に関する意識調査」では、経営層や管理職の半数近い方が「転職して失敗した経験がある」という、衝撃的な回答を得ました。その理由は何なのでしょうか。また逆に、成功した人たちはどのような充足感を得ているのでしょう。40代、50代の方々が転職先を選ぶために不可欠なことを、調査データからひもといていきます。

転職でキャリアを築くエグゼクティブ

全体の転職経験比率(経営者JP総研「エグゼクティブの転職に関する意識調査」。2018年10月31日~11月14日、有効回答数167人。以下同じ)

まず、社長から課長までの経営層・管理職、自営業者による全回答者のうち、転職経験者が83.8%、未経験者は16.2%でした。これは全世代を対象とした一般的な調査の結果と比べて、転職経験者比率が非常に高いといえます。

エグゼクティブとして活躍している方々の8割が転職を絡めてキャリア形成し、現在マネジメント職に就いておられます。読者の皆さんは、まずこの事実をどう感じられるでしょうか。「そんなに多いんだね」「自分と一緒だ」など、それぞれの感想がおありかと思います。

では、8割の転職経験者は、これまで何回転職したことがあるのでしょうか。「1回」という回答が最も多く20.4%、続いて「3回」が18.0%。回答者の平均転職回数は、2.6回でした。

過去の転職経験回数

最初の転職は20代が41.3%、30代が27.5%で合わせて7割ほどを占め、2回目、3回目は多くが30代、40代でされています。社会人になって仕事を覚え、いくつか成果を出し、中堅になったところで最初の新天地にチャレンジ。次にミドルとして活躍する時期に、何らかの理由で2度目(3度目)の転職を経験する。そんなキャリアの歩み方がうかがえます。

転職して失敗46.8% 成功と失敗を分けるものは

転職後に失敗したと感じたことの有無

では、実際に転職で新たな企業に移り、どう思っているのでしょう。

衝撃的だったのが、経営層・管理職の46.8%が「転職後に失敗したと感じたことがある」と回答したこと。その主な理由は、「社風が合わなかった」(16.8%)、「一緒に働く人との相性が合わなかった」(13.2%)、「経営者との相性が合わなかった」(12.0%)と、カルチャーフィットでのミスマッチが上位の大半を占め、この問題の深刻さをうかがわせます。また、「入社前に伝えられたミッションと違う仕事を任された」と答えた方も13.2%いました。

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もちろん、「(転職後に)失敗したと感じたことはない」方も53.2%います。転職を成功と感じる具体的な理由としては、

  • 自身のビジョンが実現できる環境になり、仕事にやりがいを感じるようになった
  • 経営に携われるようになり、幅広い多くの経験ができた
  • 裁量権をもち、経営判断を行えるようになった
  • 新しいチャレンジができた。新しい文化・環境・人に出会い、視野が広がった
  • より価値観の近い人たちと仕事ができるようになった

と、「やりがい」「責任」「チャレンジ」を獲得されている姿が見えます。

また、次のコメントのように、転職を経験することで、事業執行力や経営力を学び、積み上げている方たちもおられます。

  • 自分の強みが何階層にも積み上がってきた。具体的には、小規模組織での個人単体の営業力→大規模組織のマネジメント力→新規事業構築・会社再編→事業から財務(ファンド運営等)へ
  • 全て経営再建か収益改善などの経営業務であったが、経営スキル、人脈、決断力またEコマースなど新規事業開発能力の向上や人事統制力、リーダーシップの向上が図れた
  • 転職回数を重ねるうちに、どこにいっても通じるセオリーは何か、なぜ同じような過ちを業態、業種が異なっても起きるのか理解することができた。また、経営陣として鍛錬していくべき事がハッキリした

経営者の5割が「次の転職もあり」

今後の転職の可能性

今後の転職の可能性については、58.7%が「転職を考えている」、41.3%が「転職を考えていない」という結果に。

役職別に見ると、経営者の50%が「転職を考えている」ことに驚かされます。活躍するエグゼクティブは、シニア世代になっても、トップマネジメントに就いていたとしても、アグレッシブに自身のキャリア展開を狙っているようです。

社長職は有期の職務でもあり、たとえ任期満了となっても、年齢的にも(財政的にも)まだまだ隠居するわけにはいかないと考え、「次の転職にも備えておこう」という意識が常に働いているのではないでしょうか。

今後の転職の可能性(役職別)

部長、課長層では、今後の転職を「考えている」が「考えていない」を大きく上回っており、逆に役員層では「考えていない」が「考えている」を上回っています。役員層は経営陣としての現在の職責に満足し役割にまい進している。一方で、部長・課長層は上と下の板挟みで何かと窮屈、日ごろの悩みも多そうです。「もっと自分の考えや裁量でやれる場を」と考えている方が少なくないと感じます。

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また、転職経験者への「転職を考えるときまず最初に相談する人は誰ですか?」という質問は、 「誰にも相談しない」が22.8%で最も多く、続いて「家族」が18.6%、「エージェント」が14.4%という結果になりました。

転職でまず最初に相談する人

確かに経営に近い立場の皆さんは、転職について誰かに相談するのではなく、一人で熟考し、あるいは虎視眈々(たんたん)と次の会社・ポジションを狙うケースも多いですね。「自分で判断する」習性を身につけていることの影響もあるかもしれません。相談相手として、家族のほかに、エージェントを頼りにする方も増えてきています。

転職先の選択は「動機づけ要因」で

現在の転職意思の有無にかかわらず、「いまの会社以外で新天地を選ぶとなった際に重視すること」は、「自分が成し遂げたいテーマの実現ができるか」(64.7%)がトップ。以下、「社会的に意義がある事業、仕事か」(53.3%)、「自分のミッションと会社のミッションが合致しているか」(48.5%)と続き、5位に「社会に影響を与えられるか」(38.9%)が入っています。社会的意義や自身のライフテーマを重視している姿が浮き彫りになりました。

新天地で重視したいこと

調査データをいくつか見てきましたが、エグゼクティブ層の多くが「カルチャーのミスマッチで転職に失敗した」という経験を持ち、逆に転職でよかったこと、今後の転職で重視したいことは仕事のテーマやチャレンジ内容、共鳴できるトップや仲間たちでした。これらの結果から、読者の皆さんに今後の参考にしていただきたいことが明確になりました。

それは、米国の臨床心理学者、F・ハーズバーグの「衛生要因・動機づけの二要因理論」でいえば、転職時にはどうしても「衛生要因」=給与・待遇・肩書などにとらわれて最終選択しがちですが、「動機づけ要因」=やりがい・テーマ・仕事仲間などをしっかり確認し、それを満たす場を選択することが、入社後の活躍・働きがいにとって非常に重要である、ということです。いままさに転職活動中、あるいは準備中の皆さんはいかがでしょうか。

井上和幸

 経営者JP社長兼CEO。早大卒、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、リクルート・エックス(現リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。「社長になる人の条件」(日本実業出版社)、「ずるいマネジメント」(SBクリエイティブ)など著書多数。

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