1. NIKKEI
  2. 日経HR

EXECUTIVE エグゼクティブ転職

次世代リーダーのための
ヘッドハンティング転職サイト

出典:NIKKEI STYLE 出世ナビ 次世代リーダーの転職学

悩まない40歳からの転職 エージェントはこう使え

ミドル世代専門転職コンサルタント 黒田真行

40歳からの転職は課題対策をしっかりと。写真はイメージ=PIXTA

40代以降の転職活動は、20代、30代とは違い、一気にその難易度が高まります。需給バランスの変化はもちろん、企業からの期待値の高まりや、世帯主の場合には教育や介護など家族環境も変化しやすく生活コストがかさみがちで、結果的に年収などの希望条件を上げざるを得ないという背景もあります。そんな中、もし転職活動を始めることになったら、どんな課題と向き合うことになるのでしょうか。今回は事例をもとに4つの要因をピックアップ、転ばぬ先のつえとなる情報をお届けします。

要因1.相場観の混乱 エージェントによる温度差

Aさん(41、医療機器メーカー・営業部長)

複数のエージェントと面談したが、エージェントによって「あなたの年齢では簡単に見つからない」と言われたり、「希望を広げれば求人はたくさんあります」と言われたり、自分の社外価値の相場がとてもわかりづらい。実際には、応募したい求人はほとんどなく、なかなか活動が進みません。

転職エージェントを利用する人はますます増加していますが、転職活動に精通したエージェントも、実は会社ごとに強みや得意領域が異なります。経理や財務専門に強い、IT業界に特化している、取締役経験者に限定している、などというように、専門エージェントも増えています。

しかし、実際に得意領域が限られていても、そのことを明示せずに「総合型」をうたっているエージェントも多いため、エージェントによっては、その会社が保有する求人がないだけなのに、「あなたの年齢では選べるほどの求人はほとんどありません」とオーバーな言い方をするケースもあります。最初に出会ったエージェントにそう言われてしまうと、求人市場全体がそのような相場なのだと思い込んでしまうことになりかねません。

40歳を超えると、成果への貢献可能性や専門性をシビアに問われることが多くなるため、案件数自体が減少することは確かなのですが、自分の経験に合うエージェントや求人サイトを選ぶことで、可能性が大きく広がることがあるので、ぜひ自分に合うエージェントをしっかり見極めていただければと思います。

今、エグゼクティブとしての市場価値が知りたい。

わずか5分でわかる、あなたのエグゼクティブ力
エグゼクティブ力診断

要因2.座標の喪失 目的が揺らぎ始める瞬間

Bさん(46、外資系広告代理店・人事部長)

転職活動は年収を上げるというより、あと20年以上働く自分のキャリアを、長期的に仕切り直しをすることが目的だったが、率直に言って予想以上の厳しさに揺れています。そもそも転職を考えなくてもよかったのではないか、と思いたくなる案件ばかりで、かといってすでに退職意思は伝えてしまったので後戻りもできず、後悔し始めています。

40歳からの転職成功は偶発的な要素も多い。写真はイメージ=PIXTA

業種や仕事内容、賃金、権限、責任の重さ、役職、企業規模、会社の風土、労働時間、一緒に働く人たちの価値観、勤務地など、働くことの満足度にかかわる項目は実に多様で複雑です。つまり転職の前後で満足できるかどうかということも、かなり偶発的な要素が多く、計画的な転職成功の実現は相当難しいものだと思っておいた方がよいと思います。

ざっくり「キャリアアップしたい」と思って転職活動を始めても、「自分にとってキャリアアップするとはどういうことなのか?」をかなり精密に描いていかなければ、活動そのものがすぐに迷宮に入り込んでしまいます。

「自分は何のために転職するのか?」
「転職活動で最低限手に入れたいものは何か?」
「本当にいま転職をする必要があるのか?」

せめてこうした自問自答で、答えが明確になるようになってからアクションをスタートされることをお勧めします。

要因3.視界の短期化 焦りが可能性をさらに曇らせる

Cさん(43、元市議会議員)

商社を辞めて政治活動に踏み込んで10年。いざ選挙に負けると地獄の日々です。後援者の会社でお世話になる道もありましたが、これから先の人生を考え、地元を出て上京して転職活動をしています。家族を養う必要もあり、最低限の年収にはこだわっていますが、どこに行ってもその金額が壁になって話が進みません。さすがに八方ふさがりの状況で参っています。

転職活動を楽観していた人ほど、いざ想定外の壁にぶつかった際に心理的な焦りが高まりやすくなります。特に、離職中の状況になってしまうと、当然ですが、「早く仕事を見つけなければ」「早く稼がなければ」と、目先のことで頭がいっぱいになり、平常心ならうまくいくはずのことも失敗してしまったりします。そして焦りが出始めると、人はものごとの判断の時間軸が短くなり、中長期的な視点がおろそかになってしまいがちです。

今、エグゼクティブとしての市場価値が知りたい。

わずか5分でわかる、あなたのエグゼクティブ力
エグゼクティブ力診断

生活基盤となる重要なものなので年収にこだわるのは当然ですが、あまりに硬直化してしまうと可能性の芽を摘んでしまうことになりかねません。「入社後すぐの年収は下がっても、しっかり会社に貢献することで後からその分を取り返す」という考え方で、長い目で見たときにトータルの年収を上げている方も実際にたくさんいます。

キャリアを考える際は、短期視界と長期視界をバランスよくみて判断することをお勧めしています。

要因4.自信喪失 自分の未来がたまらなく不安

Dさん(43、住宅設備メーカー・営業所長)

住宅関連業界で法人営業を20年やってきた経験に自負はあったのですが、いざ転職活動を始めてみるとことごとく不採用に。自分はこんなにも市場価値がなかったのかとがくぜんとしています。活動を開始して3カ月でめいってしまうばかりです。会社の業績も悪化しているので早く転職したいのですが、この先の生活がとてつもなく不安です。

転職活動を開始して、最初の数社が書類選考で不採用になるくらいで済めばいいのですが、それが10社以上続いてくると、どんな人でも心理的にめいってしまいます。面接にも行けないのか、自分は会って話す価値もないと思われているのかと、考えれば考えるほど、「世の中から必要とされていないのかもしれない」と自己嫌悪に陥る方もいます。

40代は教育や介護など家族環境の変化も大きい。写真はイメージ=PIXTA

しかしそれは、ほとんどの場合、年齢による需給バランスの構造変化によるものです。もし、そんな状況に陥ってしまったら、その現実を受け止めて、転職活動のアプローチの仕方や方法を変えていくしか道はありません。

業界や職種、勤務地、自分にとっての働く意味ややりがいなど、根本的なモノサシを見つめなおすチャンスだととらえて作戦変更を進めてください。固定観念を超えて活動を見直したいときこそ、経験豊富な転職エージェントに相談するベストタイミングかもしれません。

40歳からの転職で迷わない3つの準備

転職に限らず、仕事もプライベートも、そうそう自分が思う通りに進まないということは同じです。どんなことにでも壁や課題は現れるし、また困難に対処することも可能です。

40歳からのキャリア構築で、迷子になってしまわないために準備できることにはどんなものがあるか、その一例をご紹介します。

(1)5年後の自分をリアルにイメージする

あなたがいま40歳なら、45歳の時点でどうなっていたいのか。その姿をできるだけ現実的にイメージしてみてください。「5年後の未来なんか想像もできない」という人は、5年前の35歳の時点から40歳の今の間に起こった変化を書き出してみてください。「現在から未来」は、「過去から現在」と同じようにしか変化しない可能性があります。それを自分の意思でどう変えたいかを想像してみてください。イメージを持っているだけでも、それに近づく可能性は高まります。

(2)具体的なアクションプランを書き出す

5年後の自分像に近づくためには何をすればいいでしょうか。どんなにささいなことでも、メモでもノートでもSNS(交流サイト)のマイページでもいいので、ぜひそれを書き出してみてください。

人と出会うこと、何かを学ぶこと、何かを作ること、どこかへ出かけること、どんなことでも構いません。自分で自分自身をコントロールするトレーニングのつもりで、それを実行に移してみてください。外部環境に振り回されることは多いのですが、行動さえすれば自分で制御できることもたくさんあります。そのことをしっかり体で体験してみてください。

(3)やめることを決めておく

40歳からの人生において最も大切なものは有限な時間です。自分の仕事や人生そのものとどのように向き合い、過ごしていくのか。自分なりの原理原則やルールを決めてください。できればやらないことや捨てることを決めておくと、頭の中がシンプルになり、悩ましい変数が減るので、悩ましい局面を乗り切りやすくなるので効果的です。

ぜひこれらの観点を参考に、豊かで満足度の高いキャリア形成に備えていただければ幸いです。

黒田真行

 ルーセントドアーズ代表取締役。日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。1989年リクルート入社。2006~13年まで転職サイト「リクナビNEXT」編集長。14年ルーセントドアーズを設立。著書に本連載を書籍化した「転職に向いている人 転職してはいけない人」(【関連情報】参照)など。
「Career Release40」http://lucentdoors.co.jp/cr40/

今、エグゼクティブとしての市場価値が知りたい。

わずか5分でわかる、あなたのエグゼクティブ力
エグゼクティブ力診断

「次世代リーダーの転職学」をもっと読む

※NIKKEI STYLEのウェブサイトに移動します

おすすめコンテンツ
  • 10万人以上が受験「年収査定」無料査定を試してみる
おすすめ情報
  • 日経ビジネススクール

PAGE TOP

わずか5分でわかる、あなたの「エグゼクティブ力」
エグゼクティブ力診断テスト