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社員が推薦「リファラル採用」 転職に生かす極意は?

エグゼクティブ層中心の転職エージェント 森本千賀子

リファラル採用は成長中のベンチャー企業を中心に広がっている。写真はイメージ=PIXTA

人材採用が困難になっている昨今、従業員から推薦を受けた人を採用する「リファラル(紹介)採用」を導入する企業が目立ってきました。米国では3割近くを占めて採用経路のトップというデータもあり、日本でも今後さらに増加する可能性があります。「社風に合う人を採用できる」「コストがかからない」といったメリットがある一方で、中にはマイナス面を懸念する企業も。企業側、求職者側、お互いにとっていい出会いとなるように心がけておくべきポイントを紹介します。

成長ベンチャーを中心に導入企業が増加

リファラル採用とは、従業員を通じて、その友人・知人・元同僚などを採用するというものです。リクルートワークス研究所のリポートによると、米国では2012年時点の調査で、社外採用全体の28%を占めているといいます。質の高い採用を実現できる効果が認められており、日本でも今後広がっていくかもしれません。

リファラル採用制度の運用方法は企業によって異なります。「友人・知人を会社説明会へ招いてほしい」など、応募のきっかけづくりというレベルの形態もあれば、狙い撃ちでスカウトして、経営トップとの面接につなげるといった形態もあります。

友人・知人を紹介して採用に結びついた場合、従業員にはインセンティブが支給されたり、評価に反映されたりするパターンも。インセンティブの額は企業によって異なり、中には1人紹介して採用に至れば月給の1~2カ月分を得られるケースもあります(企業側は、インセンティブをビジネススキルアップの勉強などに使うことを推奨しています)。

現在のところ、リファラル採用制度を積極活用しているのは成長期のベンチャー企業が中心。急速に成長していて、増員のための採用活動を効率化したいケース、あるいは求める人材が転職マーケットになかなか出てこないケースがあります。

後者の理由で、ハイレベルな人材をターゲットとしている大手企業、例えばグーグルはリファラル採用制度を持ち、強化している代表例の一社です。

「積極派」と「慎重派」の声

先日、経営者や人事担当者が集まる会合に参加した際、リファラル採用が話題に上がりました。そこでは、「積極派」「慎重派」に意見が分かれましたので、それぞれの声を紹介しましょう。

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採用企業側が感じているリファラル採用のメリット・デメリットは、声をかけられる側のメリット・デメリットにも通じる部分もあります。今後、リファラル採用のターゲットとなる可能性がある皆さんも、心に留めておいていただくとよいかと思います。

<積極派が語るメリット>

転職「潜在層」を取り込める

友人・知人に声をかけることで、転職活動をしていない人にも応募してもらうチャンスが生まれます。

友人・知人の紹介の場合、企業文化にフィットしやすいメリットも。写真はイメージ=PIXTA

カルチャーフィットしやすい

従業員が「この人ならうちの会社に合う」と思った人を呼び込むので、社風に合う人を採用しやすい。「類は友を呼ぶ」の法則があるように、知人・友人などであればある程度志向性も似ている傾向も期待できます。

コストが限定的

紹介した従業員にインセンティブを支払うにしても、求人メディアへの出稿コスト、人材エージェントに支払う成功報酬に比べるとコストを大幅に抑えられます。

部署間交流で社内活性化も

従業員が、他の部署で取り組んでいること、そこで求めている人材を知ることになるため、他部署への関心や理解が深まり、会社を俯瞰(ふかん)する視点を持つことにつながります。部署間の交流も生まれ、組織活性化の効果も期待されています。

従業員の「満足度」の指標に

従業員が自分の会社を友人に勧めるということは、自社に満足していることの証明にもなり得ます。経営者としては従業員満足度を測る指標にもなるということです。また、「自社社員のネットワークや社外活動をつかめる」といった声もあります。

<慎重派が語るデメリット>

次に、リファラル採用に否定的な方、慎重に検討している方の意見も紹介します。これらは、リスクを感じて躊躇(ちゅうちょ)している方、実際にリファラル採用を実施してみて不具合を実感している方の意見でもあります。

不採用にしづらい

「従業員から紹介を受けたものの、求める人材像とマッチしていない、その人と従業員の関係がぎくしゃくしてしまうことになると思うと、不採用にしづらい」という声が多く聞かれます。

フィルターがかかり、的確な判断ができない

従業員が推薦する人は「うちの会社に合うのだろう」「いい人なんだろう」と、ひいき目に見てしまいがちになります。的確な判断ができずに迎え入れた結果、入社後にギャップが生じるケースもあるようです。

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リファラル採用にはデメリットもいくつかある。写真はイメージ=PIXTA

紹介者と同じ部署だと気まずくなることも

前職の元同僚などを誘って迎え入れた場合、専門分野が同じなので同部署に配属されるケースが多数。入社者が活躍できない、あるいは逆に入社者が活躍して紹介者より高評価されたりすると、お互いに気を使い、やりづらくなることがあるようです。「良きライバル」になればいいのですが、関係がネガティブな方向に向かうこともあります。

従業員がインセンティブ目的で動く

紹介者が採用に至ったときにインセンティブを支給する制度がある場合、従業員がそれを目的に強引な勧誘や推薦をしてしまうことも起こり得ます。

声をかけられたらどう対応すべきか

今後、皆さんもリファラル採用制度を持つ企業の従業員から「うちに応募してみないか」と誘われることがあるかもしれません。そんなとき、どんなポイントに気をつければよいのでしょうか。

事業・仕事内容への興味を判断軸に

気の合う人に誘われたら、「この人と働けるなら面白いかも」と心が動くことでしょう。しかし、人間関係に引きずられず、その企業の事業内容・仕事内容に興味を持てるか、自分の成長やキャリア構築につながるか、という視点を忘れずに判断してください。

「この人がそう言うなら大丈夫」はNG

友人・知人の誘い文句をうのみにしないようにしましょう。先の「デメリット」でも述べたとおり、インセンティブや評価につながる場合は、つい会社の良い部分ばかり強調して入社させようとしてしまう気持ちが働いてしまうこともあるかもしれません。また、相手がウソをついているわけではないにしても、考え方、感じ方は人それぞれです。さまざまな角度から、自分の目で会社を見て判断するようにしましょう。

紹介者、経営トップ以外の社員にも会う

紹介者は気の合う人、面接で会った社長や役員も魅力的な人物。それで入社を決めたものの、配属された部署の人々とは相性が合わないということもありがちです。人事担当者と、最終面接で会う経営陣だけでなく、配属予定先の現場社員とも直接会って話す機会を設けてもらうことをお勧めします。

遠慮は禁物、条件面はしっかり確認を

友人・知人を介して入社する場合、遠慮から条件面の確認や交渉を切り出しにくいことがあります。希望を伝えられないまま、提示された条件を受け入れ、後悔することも。そこは遠慮なく、しっかり確認し、納得がいかない部分があれば交渉しましょう。

――リファラル採用による転職は、うまく活用すれば、企業側にとっても求職者側にとっても良い出会いとなる可能性があります。注意すべき点は注意しつつ、良縁を結ぶチャンスをつかんでいただきたいと思います。

森本千賀子

 morich代表取締役 兼 All Rounder Agent。リクルートグループで25年近くにわたりエグゼクティブ層中心の転職エージェントとして活躍。2012年、NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演。最新刊「のぼりつめる男 課長どまりの男」(サンマーク出版)ほか、著書多数。

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