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採用専門、求む新型リクルーター 営業やコンサル転身

エグゼクティブ層中心の転職エージェント 森本千賀子

新型リクルーターは若手社員の片手間業務ではなく、専業のプロ。写真はイメージ=PIXTA

最近、新タイプの「リクルーター」の求人ニーズが増えてきています。文字通り、企業が求める人材に応募を促す活動を行う人ですが、若手社員が出身校の後輩などに声をかけるという昔ながらの片手間的なリクルーターとは、専門職である点で性質が異なります。採用ターゲットが営業やコンサルタントなどの経験者である点も新卒ターゲットの従来型とは違っています。ニーズの背景、具体的な活動内容、求められる人材像などをみていきましょう。

「リクルーターが欲しい」――。採用難が顕著になった2、3年ほど前から、そんな相談を受けることが増えてきました。

従来の「リクルーター」といえば、一般的に「人事担当者以外で就活生に会う若手社員」を指します。出身大学の後輩、あるいは応募者やセミナー参加者に声をかけ、個別に面談を行う社員です。しかし、今回取り上げるリクルーターは全くの別物。企業によって異なるものの、主に次のような業務を担います。

新型リクルーターの主な業務とは?

・求人メディアの「スカウト」(※)機能を活用し、求職者データベースから求める人材を探し、オファーを出す

※スカウトサービス 求職者が匿名で職務経歴や希望条件を登録し、求人企業はそれを閲覧してオファーを出すシステム

・採用ターゲットとなる層が集まるイベントに参加したり、イベントを主催したりして、候補者と接点を持つ

・PRメディアやSNS(交流サイト)を活用して自社および自社の採用情報を告知し、ターゲットに響くようなメッセージを送る

・採用を目的としたオウンドメディア(企業が自ら企画、編集する情報サイト)を企画・運営する

・採用ターゲットを設定する。その採用ターゲットに対してどう訴求していくかの戦略も練る

・候補者にオファーする際の内容や条件を検討する

・候補者が応募意思を見せたら、面接のセッティングを行う。1次選考を担うことも

・候補者に応じて、どの段階でどの人に会ってもらうかなどを検討する。内定承諾を得るためのクロージングの戦略を立て、実践までコーディネートする

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適任なのは課題解決力、マーケティング力を持つ人材

こうしたリクルーター(以下、新タイプのリクルーターを指す)の採用において、主な候補になるのは人事経験者ではありません。企業側は「人事経験者を採用する」というより「営業を採用する」という感覚なのです。「顧客=入社してほしい人材」に対して、「商品=自社という職場、キャリアアップの機会」をプレゼンテーションし、相手を引き付けて「受注=採用」という目標を達成する。そのプロセスはまさに「営業」の領域といえるからです。

昨今、優秀な人材のリクルーティングに際しては、一方的に自社の魅力を伝えるのではなく、「相手の課題解決」という観点からアプローチするのが有効と考えられています。

新型リクルーターには営業やコンサルタント経験者が向くという。写真はイメージ=PIXTA

相手が仕事や職場に何を求めているかという「ニーズ」をヒアリングし、その人のキャリアプランや将来ビジョンに寄り添い、信頼関係を築いたうえで、「あなたのプランやビジョンは当社で実現できる」というプレゼンへつなげる。仮に転職のタイミングが「今」ではないとしても、長期的に関係を保ち、ここぞというタイミングで再度声をかける。このようなアプローチができる人材が求められているのです。

こうした背景から、人事・採用の経験者以上に、ソリューション営業やコンサルタントなどを務めてきた人が適任だと考えられているのです。

これからの採用にはマーケティングのセンスが必要だと見る経営者も少なくありません。従来の採用担当者は選考において「自社とのフィット感」「活躍している既存社員と似たタイプ」といった基準でジャッジする傾向がありました。

しかし、今、必要とされているのは、自社が現状で抱えている課題を解決する人とはどんなコンピテンシー(成果につながりやすい能力・行動特性)を持つ人物か、そういう人は今どこにいて、その人材はどのようなメッセージに反応するか、どんなシナリオによって自社とのマッチングに結びつけるかというマーケティング的な視点で人材戦略を描ける人。そこで、マーケティングセンスに長けた営業経験者などが採用ターゲットとなっているというわけです。

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リクルーターへの転職に向いている仕事は?

より具体的に、リクルーターの候補になり得る職種を挙げてみましょう。

・無形商材、課題解決型の営業職

最も親和性が高いのが、人材業界の法人営業職。転職マーケットのトレンドに関する知識、企業と人の「マッチング」の経験がそのまま生かせます。

IT(情報技術)業界の営業職も、企業の課題分析・提案を行ってきたという点でスキルを転用できるでしょう。実際、「経営課題の根本的な部分を解決するためには、システムよりも人が重要」という考えに至り、IT分野から人材分野に転身を図る人も見受けられます。

・コンサルタント

経営課題を分析して解決策を練るコンサルタントは、そのテーマを「人材」に絞るという形で経験が生かせます。プレゼンテーション力が養われている点も強みといえます。

・営業適性を持つ、幅広い職種

候補者となりやすいのは上記に挙げた営業、コンサルタント経験者ですが、それだけに限りません。例えば、エンジニアやクリエイターといった職種でも、先ほど述べたような課題解決力、プレゼン力、マーケティングセンス、営業マインドといった要素を備えていれば、チャンスはあります。それこそ、エンジニアやクリエイターといった専門職の採用に力を入れる企業であれば、ターゲットと同職種の経験は重宝されるでしょう。

リクルーターの経験は人事への転身の足がかりにもなりそう。写真はイメージ=PIXTA

エンジニアなどが何らかの理由で人事という分野に興味を抱いた場合、いきなり人事職にキャリアチェンジするのはハードルが高いもの。しかし、リクルーターというポジションのニーズが生まれたことで、リクルーターという入り口からスタートし、採用活動から徐々に領域を広げていって「人事のプロ」を目指すという道が開かれたといえます。人事への転身を目指す人はチャレンジしてみてもいいかもしれません。

その場合、これまでの仕事の中で、社内外に対して「課題解決」を主体的に働きかけ、実現してきた経験をアピールできるようにしておきましょう。

リクルーターの働き方、キャリアパスはどうなっている?

こうしたリクルーターの採用においては、雇用形態は比較的柔軟です。「正社員として採用したい」というニーズはあるものの、難しい場合は「業務委託でもOK」とされます。実際、フリーランスのリクルーターとして、複数の企業と契約を結んでリクルーティングを行っている人もいます。

正社員として採用する場合、「リクルーターを経て、いずれ人事のプロフェショナルになってほしい」という要望は、採用側には強くありません。本人の志向によっては、採用だけでなく人事制度企画、研修といった領域まで経験を広げることも可能でしょうが、企業側は必ずしもそれを前提としていないということです。

前述のとおり、採用対象は営業、コンサル、マーケティングといったスキルを持つ人材ですので、むしろそうした部署・職種との兼務や異動の可能性のほうが高いといえます。あるいは「自社を売り込む」という業務特性から、広報と兼務する道も考えられます。

もちろん、その会社で採用ニーズが満たされ、リクルーターとしての役割を終えた場合は、経験を武器に別の企業でリクルーターを担うというキャリアパスも考えられるでしょう。

私自身、転職エージェントとして、日々、企業と人材のマッチングをお手伝いしていますが、「人材との出会いをきっかけに企業が発展する」「企業との出会いをきっかけに人生がよりよくなる」というプロセスに立ち会えることに大きなやりがいと喜びを感じています。そんな「出会い」を生み出したい人は、キャリアの選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

森本千賀子

 morich代表取締役 兼 All Rounder Agent。リクルートグループで25年近くにわたりエグゼクティブ層中心の転職エージェントとして活躍。2012年、NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演。最新刊「のぼりつめる男 課長どまりの男」(サンマーク出版)ほか、著書多数。

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