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IPO準備中の企業に転職ニーズ 財務・管理で濃い経験

エグゼクティブ層中心の転職エージェント 森本千賀子

2018年のメルカリは数少ない大型上場だった(東証の上場セレモニーで)

IPO(新規株式公開)を目指す企業が増えています。2018年に国内で上場を果たした企業数は90社に達し、19年はそれを上回ると見込まれています。ベンチャー企業が数多く生まれるなか、ビジネスモデルを軌道に乗せた企業はIPOへ目標を定めます。IPOへの準備を始めた企業では、どんな人材の採用ニーズがあるのかをお伝えします。

IPOが視野に入った企業では、人材採用も活発になります。スタートアップ直後は、コストをかけず、メンバーのネットワークや知人の紹介を通じて採用を行ってきた企業も、資金調達のめどが立った段階で採用に積極投資をしていくのです。また、「想いやビジョンに共感してくれる人を迎える」という採用から、「機能を強化する」という採用方針に転換するのも、この時期の特徴といえます。

このフェーズでの採用では、10~20人程度にとどまっていたそれまでの規模から、1年程度で50~60人規模へと一気に拡大するケースも多く見られます。今回は、IPOを目指す企業ではどんな職種・ポジションのニーズがあり、どんな要件が求められているのかをみていきましょう。

資本政策を担うCFO(最高財務責任者)は引く手あまた

ある程度の資金調達は達成しているものの、今後のエクイティストーリーを作っていくために、そして新たな資金調達先を開拓・交渉していくために、ファイナンスに強い人材が求められます。まだ組織体制が整っていない時期なので、戦略づくりだけでなく、自分で手を動かして実務をこなす姿勢も必要です。IPO準備のために監査法人と折衝する役割も担っており、内部統制に関する知見も求められます。

これまでにIPOの経験があるにこしたことはありませんが、現在CFOは引く手あまたで、IPO経験者を獲得するのが難しい状況。ですから、IPO経験がなくても、IPOのプロセスがわかっている人であれば受け入れてもらいやすい状況です。

また、証券会社、ベンチャーキャピタル、投資ファンドなどで勤務してきた人で、「事業会社側に行きたい」という人にも門戸が開かれています。会計事務所出身の人でも、ビジネスへの興味が強く、「攻め」の姿勢を持った人であれば採用されるチャンスがあります。

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管理部門全般を整備する人へのニーズ

IPOに際しては、管理部門の整備が欠かせません。経理・財務、人事、総務など、バックオフィス業務全般を手がけてきた人も採用ターゲットとなります。

「管理部門長」のポジションの採用であればマネジメント経験があるほうが有利ですが、むしろ「実務経験」が重視される傾向が強いです。管理職の肩書を持ったことがなくても、部門の「仕組み化」「整備」を経験した、手を動かせる人が重宝されます。

その点では、すでに組織が整備された大手企業の出身者よりベンチャー企業出身者が採用されやすいといえるでしょう。ただし、大手企業出身であっても、グループ会社や海外現地法人などで一から組織整備を手がけた人であれば歓迎されます。

強化したい領域を担う、様々な専門トップの「CxO」

特に「CHRO(最高人事責任者)」「COO(最高執行責任者)」を求める声が強くあります。CHROに関しては、組織戦略から検討し、採用、人事制度企画、人材育成方針の策定など幅広く担います。

採用に関してはブランド力のない中で、人材関連取引先へのパートナーシップの構築含めてCHROの果たす役割は大きいです。最近のベンチャー企業では、「mission(ミッション=果たすべき使命)」「vision(ビジョン=将来ありたい姿)」「value(バリュー=組織共通の価値観)」を定める重要性を強く感じている経営者が多く、これをまとめていける人が望まれています。このほか、従業員が増加し、IPOが近づくにつれて、労務管理体制の強化も重要となります。

CxOポジションでは専門性が重視されますが、プラスして「柔軟性」「経営視点」も兼ね備えていることが重要です。状況に応じて「COOもやってほしい」と言われれば迷わず受け入れるようなマインドセットも必要といえるでしょう。

売上拡大を担う営業・マーケティング職への期待

組織を拡大すれば、当然ながら売上も立てていかなければなりません。これまでは顧客からの紹介などで受注を獲得してきた企業も、営業組織を整備していきます。これに際し、営業マネジメント層のニーズが発生します。営業戦略を策定し、チームビルディングができる人が求められます。営業方針が固まれば、その活動に必要な営業メンバークラスの採用も行われます。

なお、営業戦略においては、「地上戦」のみならず、アライアンス先やパートナー先(代理店)などを開拓・交渉して一気に取引拡大を図るような「空中戦」も展開できる人に期待が寄せられます。一方、マーケティング領域においても、マネジャークラスからメンバークラスまでニーズが発生します。リアルマーケティングとデジタルマーケティングの両輪での戦略立案から推進までできる人材が求められます。

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組織拡大を支える採用担当者、ブランディングを推進する広報担当者

事業拡大に向けて大量採用を行う場合は、採用担当者を採用するケースも多く見られます。その企業が募集する職種・ポジションを採用するのにふさわしい採用手法の経験を持つ人が有利となります。

勢いよく伸びている企業は世間からの注目度も高まります。メディアの取材対応も増えることから、広報のプロも必要となります。また、企業ブランディングに際し、広告にコストをかけるのではなく、メディアを活用することで露出を増やす手法を持つ人が重宝されます。

IPOを目指す企業で働く魅力、必要な覚悟とは

IPOに向かうフェーズの企業には、どんなやりがいや面白みがあるのでしょうか。実際にこうした企業で働く人からは、こんな声が聞こえてきます。

「チームや組織を自分の手で創り、理想とするあり方を実現しやすい」

「短期間で濃い経験を積むことができ、キャリアアップを短縮できる」

「経営者のそばで働き、経営の視点が身に付く」

「学生時代の学園祭の前夜祭のようなノリで、ゴールに向かう高揚感や仲間との一体感を味わえる」

「ストックオプションの付与により、資産を築ける可能性がある」

また、昨今は何かしらの社会課題に取り組むベンチャー企業が多くなっています。志を持つ人にとっては、社会課題を解決し、社会に貢献できることにやりがいを感じられるようです。

もちろん、こうしたやりがいを感じやすい一方で、苦労する場面も多数あります。

「事業が計画通りに進まず、ストレスを抱える」

「マンパワーが足りず、得意領域以外の業務も担わなければならない」

「とにかく忙しい」

「安定していない状態で、業績が悪化するリスクがある」

こうした覚悟も必要です。しかし、急成長を遂げるフェーズの企業で濃密な経験を積むことは、ビジネスパーソンとしての成長につながり、今後のキャリアにも必ず生きてくるでしょう。

森本千賀子

 morich代表取締役 兼 All Rounder Agent。リクルートグループで25年近くにわたりエグゼクティブ層中心の転職エージェントとして活躍。2012年、NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演。最新刊「のぼりつめる男 課長どまりの男」(サンマーク出版)ほか、著書多数。

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