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転職で採用されるのは「ツイてる人」 面接で自分演出

経営者JP社長 井上和幸

経営者は「ツイている人」との仕事を好む傾向がある。写真はイメージ=PIXTA

不透明な時代ほど、採用基準として「この人を採用すると、何か良いもの(運)を持ち込んでくれそうだ。ツキが回ってきそうだ」と感じられる度合いの重要度が増します。ナポレオンや松下幸之助が採用基準として必須としたのも「運の良い人、ツイている人」でした。では、いったい、私たちはどうすれば採用企業や社長に「この人が参画すると、良いことがありそうだ」と思ってもらえるでしょう。今回はそんなところを明らかにしてみたいと思います。

先日も当社(経営者JP)主催のワークショップ懇親会で、図らずも盛り上がったテーマが「ツキ・運」問題でした。やはり経営者やマネジメントの皆さんには、このことは、なかなか合理的には説明・判断できないものの、自社の組織問題として並々ならない興味関心をお持ちですね。誰しも、ツイていない組織は嫌だし、ツイている組織にしたいのが心情です。

まず、感覚的には読者の皆さんにも、「あの会社はツイている雰囲気があるなぁ」「あそこの部署は、どうもツイてなさそうだぞ」というような、ツキ・運に関する「なんとなくのイメージ」があると思います。フロアに入って、ぱっと感じる雰囲気。気とかオーラとかいうものは、誰しもが無意識的にでも感じるものです。

ツキのあるなし次第で居場所が分かれる

どうすればツキ・運のよい人になれるのか。そもそも、ツキ・運を意図的に得ることはできるのか。

人が持つ「ツキ」というのは、周囲の人に伝染するものです。ツイている人の周りにはツイている人が自然と集まり、ツイていない人は、なぜかツイている人から遠ざからざるを得ないような状況になります。

「幸福とは何か」をテーマに、世界トップの世論調査会社ギャラップ社が調査した結果をまとめ、分析した『幸福の習慣』(トム・ラス、ジム・ハーター著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)に、こんな一節がありました。

「日々の生活に幸せを感じている友人が1人増えるごとに、幸せになる可能性は約9%ずつ高まる。反対に、日々の生活が不幸だと感じている友人が1人増えるごとに、幸せでいられる可能性は7%ずつ低下する」

この説に従えば、ミドルやシニアの皆さんも、自分自身や組織のメンバーのツキをしっかり管理し、ツイていない人から身を守ることが必要となりますね。

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ツキのある企業・取引先とつきあう

冒頭にも紹介しましたが、松下幸之助が自社の採用で基準としていたのは「素直さと、運が良さそうか否か」だったというのは有名な話です。採用や異動受け入れ検討の際は、ぜひ、その人のスキルや専門知識だけでなく、この部分もチェックしてみてはと思います。

目の届く組織内なら、管理はまだ簡単ですが、気を付けなければならないのは外部パートナーの場合です。パートナー候補の組織の業績や動きを見たときに、ここ数年パッとした業績を上げていないとか、社員が大量離職していたり、他の企業との取引を打ち切られていたり、ということがみられた場合、その負のオーラは自社に伝染してしまう可能性が大ということになります。

逆に、着実に業績を伸ばしていたり、果敢にチャレンジを繰り返し成果が出ていたり、有能な社員が増えている企業であれば、そのツキは自社にもプラスの影響をもたらしてくれるでしょう。

これは個人レベルでも言えることで、ネガティブワードばかり使う担当者は避ける、覇気のないベンダーは断る、「自分はツイていない」と自己暗示をかけている人は採用しないことをおすすめします。

ビジネスでもプライベートでも、やたらとトラブルを起こしたり、個人業績が落ちたり、ため息ばかりついている人や、いつもイライラしているような人とは、なるべく距離をとっておくべきですね。

相手のツキを見抜き、「付き合いたいパートナー」を見極める。定期的に、「ツキのないもの」をばっさり捨てて、ツキを呼び込むスペースを作っておく。

ツキを見極めるフィルター力をミドルやシニアのあなたが持っていれば、組織風土や業績はプラスの方向へとどんどん展開していくことでしょう。

ツキを呼び込む5つの条件

そもそも私たちのキャリアは、用意周到に計画できるものではなく、予期できない偶発的な出来事によって決定されます。これは米スタンフォード大学の心理学者、ジョン・D・クランボルツ教授が、いわゆる成功者と定義できる人たち(莫大な財を成した、名声や地位を獲得したなど)を対象に、その成功の秘訣やキャリアを分析・研究した結果から明らかにした理論「プランド・ハップンスタンス・セオリー(計画的偶発性理論)」で明らかになっていることです。

この調査によれば、人生の節目節目の出来事やターニングポイントになった要因のうち、なんと8割もが、本人も思いもよらなかった偶然の出来事や出会いだったそうです。偶然を柔軟に受け止め、その結果を計画的にデザインしていくことでこそ、良いキャリアを展開できるのです。

そのクランボルツ教授が「プランド・ハップンスタンス・セオリー」で明らかにしたところによると、偶然を味方につけるために、私たちが持つべき心構えは「好奇心」「粘り強さ」「柔軟性」「楽観性」「リスクテーク」の5つ。つまり、この5つの心構えを持つ人こそが、ツキ・運を呼び寄せる力を持つ人なのです。

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面接で「ツイている人」を印象づけるには

では、具体的に「いざ面接」という際に、どのような情報を相手の企業、面接官に提示すれば良いのでしょう?それには次の4つを満たすことが重要です。

1)経験話が具体的かつ改善解決的

2)今後のキャリア志向性が未来志向かつチャレンジ思考

3)働き方がハンズオン(自ら手足を動かし現場に入る)かつ組織・仕組み型

4)性格が「経験的処理可能感(できるという確信)」で、粘り強く、負けず嫌い

経験話が具体的かつ改善解決的な人は、物事に対してちゃんと試行錯誤することができ、状況を良い方向へと持っていく力を感じさせます。もちろんいつもうまくいくことばかりではありませんし、思いもよらない出来事に誰しも直面したり巻き込まれたりするものです。しかし、このタイプの人ならば、そうした状況を「粘り強く」「楽観的に」、いつかうまくいくさと打開してくれるだろうと、相手は感じるものです。

今後のキャリア志向性が未来志向かつチャレンジ思考である人は、「好奇心」「柔軟性」「楽観性」「リスクテーク」で次の世界を切りひらきにいってくれるだろうと、面接者は思います。時代の変革期、業界構造のパラダイムチェンジがそこここで起きつつある昨今、これまでの成功体験ややり方に固執している人ほどリスクの高いものはありません。

働き方がハンズオンかつ組織・仕組み型な人は、言うだけでなく、やる人だと相手は感じます。先の2つと相まって、自らいろいろと試し、手応えを得たものを、マネジメントとして組織やバリューチェーンに落とし込もうとします。このタイプのミドルやシニアにこそ、経営者は最も組織的な人材価値を感じるものです。

性格が「経験的処理可能感(できるという確信)」で、粘り強く、負けず嫌いである人。これこそ、真のリーダーとも呼ぶべき頼もしい存在です。

「粘り強さ」「柔軟性」「楽観性」「好奇心」「リスクテーク」の5つの心構えを自然と総出動させ続けた人であり、だからこそ、予期できない偶発的な出来事をあらかた味方につけることができる「ツイている人」なのです。

「この人に来てもらいたい」と感じる採用側の心理

最終的にはこれらが相まって醸し出されるフィーリングが、あなたを「この人を採用すると、何か良いもの(運)を持ち込んでくれそうだ。ツキが回ってきそうだ」と面接者の社長や人事部長に感じさせるのです。

そもそも、転職応募先の企業や社長から「あなたが来てくれると何か良いことがありそう」と思われるのは、「この会社に参画すると何か良いことが起きそう、できそう」という、あなたの確信的予感を、先方もしっかり感じているからです。どうです、感じていますか?

井上和幸

 経営者JP社長兼CEO。早大卒、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、リクルート・エックス(現リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。「社長になる人の条件」(日本実業出版社)、「ずるいマネジメント」(SBクリエイティブ)など著書多数。

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