1. NIKKEI
  2. 日経HR

EXECUTIVE エグゼクティブ転職

次世代リーダーのための
ヘッドハンティング転職サイト

出典:NIKKEI STYLE 出世ナビ 次世代リーダーの転職学

40代からの転職力 社内スキル「引き算」で自己採点

ミドル世代専門転職コンサルタント 黒田真行

自分の歩んできたキャリアの「たなおろし」は、転職に欠かせない。写真はイメージ=PIXTA

ミドル世代の転職市場が活性化しているというニュースが増えています。しかし、現実には、業界や職種、スキルによって大きな格差があります。また、20代~30代前半の高需要年代と、30代後半~40代前半にかけてのスペシャリスト・マネジメント需要、40代後半以降のエグゼクティブ需要と、年齢が上がるほど急激に募集ポジション数は精鋭化して減少していきます。そのために不可欠なのが自己認知力、つまり自己の市場価値の把握です。ところが、自分を知るのは簡単なことではありません。今回はそのためのいくつかのヒントをご紹介します。

過去からの延長で、自分の価値を測ってしまうリスク

「現職では約25年、大企業を中心とした法人向けの大口需要を開拓する営業一筋でやってきました。現場ではお客さんと百戦錬磨の経験をし、営業マン時代は社内でもトップクラスの結果を出して会社に貢献してきました。ここ15年は、課長、部長代理、部長と、責任範囲も広がりマネジメントとしての経験も積み上げてきました」

会社の業績不安で転職を検討し始めた、という理由で、先日お会いしたAさん(46歳)は、建設資材などを扱う中堅商社に勤める現職の営業部長。面談の冒頭で、新入社員で入社してからこれまで活躍してこられた経歴を、数字の裏付けとともに説明してくれました。

しかし、転職を考え始めて悩んでいる内容も同時に、率直に話してもらいました。

「これまでやってきたことは、まあ過去のことなので説明はできるのですが、いざ転職を考えた始めたときに、転職先で働くイメージが持てるのは、同業界の同じ仕事しか思いつきませんでした。でも、そもそも業界自体に将来懸念があると考えているので、それなら転職する意味がない。じゃあ、他にどんな世界で何をやっていけるのか、と考えたら、考えれば考えるほど迷うというか、先が見えなくなってきています」

しかし、この悩みは決してAさんだけのものではありません。40歳を超えて転職活動をした経験がある人なら、ほとんどの人が共感するのではないかと思うくらい、同じ悩みを持つ とはたくさんいます。この背景には、どんな要因があるのでしょうか?

まじめに仕事をしている人ほど、会社の中だけの人間関係に埋没してしまい、世の中の労働市場の相場情報が入手しづらくなるという理由も確かにあります。

今、エグゼクティブとしての市場価値が知りたい。

わずか5分でわかる、あなたのエグゼクティブ力
エグゼクティブ力診断

過去の経験にしばられるリスク

もう一つの理由として考えられるのが、「過去の経験値の延長線上で自分の価値を推しはかってしまいがちになる」人間の傾向が原因となっているのではないかと考えています。

自分の仕事に責任をもって突き進んできた人ほど、転職市場に疎くなるのは当然のことで、不可抗力といってもいいことだと思います。しかし、自分の未来のキャリアを考えるときに、過去の経験にしばられることで、自分の本当に市場価値や、可能性が曇って見えなくなってしまうというリスクは避けるにこしたことはありません。

最悪の場合、いざ転職活動を始めたときに、「自分の経験を生かせる職場はどこかにあるでしょうか?希望年収としては、これまで●●●万円だったので◎◎◎万円以上は確保したいのですが」というように、自分が提供できる価値より自分の値付けが先行し、かつその値付けの根拠が「前職で得ていた報酬水準だけしかない」という事態に陥ってしまいます。何よりも危険なことは、自分のキャリアや能力を生かす道を、初めて会った転職エージェントに丸投げしてしまうというようなことになりかねないということです。

自分の「市場価値」の定義とは何か?

実際に転職をするかどうかは別として、労働力市場における自分の市場価値を高めることは、心理的な安全性を担保するためにも健全で重要なことだと思います。

自分の価値を高めていくためにも、労働力市場において求められる「価値の基準」を把握しておく必要があります。

「市場価値」とは、自分が保有する経験値やスキルが、市場でどのように評価されるのかを示すものですが、その基準は時代に合わせて変化していくため、絶対的なものではありません。しかし、原理原則を考えると、「企業からの需要ボリュームに対して、その価値を提供できる人が少ない経験値、スキル、能力を持っていること」ということに集約されるのではないかと考えています。

多くの企業で求めているけれど、実際にそれができる人は少ない能力、スキルがある人だと思っています。

雇用する側から見たときに、その能力を持っている人が少なく、その能力を求めるライバル企業が多い場合は、相対的に「その人ならではの価値」や「ほかの人では代替できない必然性」が高まり、その希少性が高いほど、(その時点では)市場価値が高まるということです。

そして労働力市場で実際にその市場価値を証明する場合には、それを正確にプレゼンテーションする力量が必要となります。

「ほかの人では代替ができない、自分ならではの提供価値があるかどうか」「その価値(経験値、スキル、能力)を必要としている企業があるか」「自分が提供できる価値を、数的に可視化し、根拠を明示して証明することができるか」という3点セットがそろって市場価値を活用できるということになります。

もちろん現実には、厳密に「ほかの人にはできない価値」を証明できるものではありませんから、自分の中に保有しているスキルの中で、できるだけ希少性が高いものをピックアップするという程度で考えてください。

今、エグゼクティブとしての市場価値が知りたい。

わずか5分でわかる、あなたのエグゼクティブ力
エグゼクティブ力診断

自分のスキルや経験を因数分解

一般的に40代を超えて求められる資質は、30代以前とは一線を画したものに変質します。

  • どんなビジネスを遂行し、どんな結果を残してきたのか?
  • 事業推進上の課題をどんな創意工夫で乗り越えてきたか?
  • どのようにメンバーをリードし、組織作りをしてきたか?

単なる従業員としてではなく、経営サイドの視点での事業への貢献や、その事実に対してのその人固有の貢献度合いを見られることになります。

この世代一般に求められる期待水準を前提として、その次にプレゼンテーションすべきことが、前述した「ほかの人では代替ができない、自分ならではの提供価値」となります。

訴求すべき「自分固有の提供価値」を見極める際には、下記の観点で、因数分解をしてみてください。

  1. 前職の社内でしか評価されない経験・スキル・能力
  2. 前職と同業界で評価を得られる経験・スキル・能力
  3. 異業界でも評価される可能性がある汎用的な経験・スキル・能力
  4. 雇用されるだけでなく、自分で起業できるレベルの経験・スキル・能力

自分で起業できるレベルの市場価値は、業界や職種によって、大きく差が出てくるものですが、どんな業界やどんな仕事であっても、異業界で通用するスキルは必ず含まれているはずです。ご自身のすべての経験やスキルから、これまでの業界や会社でしか通用しない価値を除く「引き算」をすることで、自分では見つけられなかった自分の価値が見えてくるはずです。

黒田真行

 ルーセントドアーズ代表取締役。日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。1989年リクルート入社。2006~13年まで転職サイト「リクナビNEXT」編集長。14年ルーセントドアーズを設立。著書に本連載を書籍化した「転職に向いている人 転職してはいけない人」など。
「Career Release40」http://lucentdoors.co.jp/cr40/

今、エグゼクティブとしての市場価値が知りたい。

わずか5分でわかる、あなたのエグゼクティブ力
エグゼクティブ力診断

「次世代リーダーの転職学」をもっと読む

※NIKKEI STYLEのウェブサイトに移動します

おすすめコンテンツ
  • 10万人以上が受験「年収査定」無料査定を試してみる
おすすめ情報
  • 日経ビジネススクール

PAGE TOP

わずか5分でわかる、あなたの「エグゼクティブ力」
エグゼクティブ力診断テスト