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出典:NIKKEI STYLE 出世ナビ 次世代リーダーの転職学

だからあなたは嫌われる 転職・異動先でのNG言動

エグゼクティブ層中心の転職エージェント 森本千賀子

新しい職場に合わせない態度は、周囲をうんざりさせがちだ。写真はイメージ=PIXTA

転職をはじめ、異動・出向などに伴い、10月1日付で新しい職場にデビューした人も多いことでしょう。新天地では最初の印象が肝心です。そこで今回は、新しい職場に入ったとき、もともとそこにいた同僚から嫌われないようにするために、注意すべき言動についてお伝えします。

私は転職エージェントとして、転職希望者の転職活動をお手伝いしてきました。その経験から実感するのは、志望企業に入社を果たすだけではなく、入社後に活躍できてこそ「転職成功」といえるということです。実際、希望の転職を実現させたものの、入社後に「組織になじめない」と悩む人もいます。

そうしたつまずきを避けるため、今回は、入社して間もない時期に、ちょっとしたことで既存社員との間に壁を作ってしまったり、反発を受けてしまったりするケースを紹介しましょう。自分では全く悪気がない、無意識の言動が相手をイラっとさせていることもあるものです。転職した人だけでなく、新しい部署へ異動したり、グループ会社などに出向したりした人にもあり得ることですので、ぜひ意識してみてください。

最も嫌われるのは、前の職場・勤め先との比較

「このソフト、古いバージョンなんですね」

「このデータの集計って、まだ手作業でやってるんですか?」

新しい職場のパソコンで操作を始めて発した、ふとした一言。自分では何気なく言ったことでも、それを聞いた既存社員は「カチン」ときているかもしれません。悪気がないのはわかっていても、バカにされているように感じ、いい気持ちはしないでしょう。

近年は、様々なIT(情報技術)ツールがありますが、導入が進んでいる職場とそうでない職場があります。例えば、前の職場で「Slack」などのチャットツールを使い慣れた人であれば、メール中心のやりとりをもどかしく感じるかもしれません。

そうしたシステムやツール類をはじめ、新しい職場の設備や環境面が前の会社より劣っていたとしても、それをストレートに口にしないよう注意してください。「上から目線のヤツ」と、同僚たちの心のシャッターが閉じてしまうかもしれません。

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最初の3カ月は黙って受け入れよう

業務フローやマニュアルなどについても、「わかりにくい」「使いづらい」「非効率だ」などと感じることもあります。そんな場合も「前の会社ではこうだった。そのほうが効率的だ」という言い方で指摘するのは控えましょう。

実際、前の会社のマニュアルや手法のほうが優れていたとしても、まずはその会社のやり方を素直に受け入れるべきです。今のやり方で運用されているのには、何らかの理由があるのかもしれません。

せめて最初の3カ月ぐらいは、現状を「いったん受け入れる」というスタンスで臨むことをお勧めします。そうするうちに、「こういう経緯や事情があってこうなっているのか」といったことが徐々にわかってきて、課題の本質がつかめるようになるでしょう。そのうえで、新しいシステムやツール、手法の導入を提案するようにしてください。

「丁寧に説明しているのに、メモを取らない」

新しい職場に入ると、業務の進め方はもちろん、ちょっとした職場のルールなどについても説明を受けます。その際、メモを取らない人が意外と多いようです。新入社員への説明・指導を担当する既存社員の側からは「ちゃんと理解しているのか、不安になる」「真剣に覚えようとする気があるのかどうか、疑問を感じる」などの声が挙がっています。

もちろん、1回聞いたらちゃんと覚えていて、間違いなく実行できるのであれば問題はありません。しかし、メモを全く取らない人ほど、後になって「これって、どうでしたっけ?」と質問してくることが多く、相手をいら立たせてしまうようです。

私自身も会社員時代は、新人に指導する立場にありました。私が説明しているとき、「一字一句聞き逃すまい」という勢いでメモを取っていた新人からは、本気で吸収しようとする意欲が感じられて、教える側としてもモチベーションが上がりました。

聞いただけで覚える自信があったとしても、「メモを取る」という行動を見せることで、相手を安心させ、「意欲的な人」とプラスの印象を与えられるものです。

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「自分常識」「自分ルール」を持ち込む

会社が変われば、「常識」も変わります。「これが常識」と思っていたことが、「非常識」と見なされてしまうこともあります。

例えば自分のデスクに趣味のおもちゃを飾る、デスクでおやつを食べる、仕事中に音楽を聴くなどは、職場ごとにルールが異なります。

また、上司との打ち合せや経営幹部へのインタビュー中、パソコンでメモを取ることを「当たり前」とする会社もあれば、「失礼」と見なす会社もあります。自身を「小職」と称したり、メールの署名に「拝」を入れたりなど、前の職場では「丁寧で良い」と教わったのに、新しい職場では「堅苦しい」と思われることもあります。

こうしたことは、自分の中では「常識」となっているのですが、周囲の人は違和感を抱いている可能性があります。新しい職場に入って間もないうちは、感度を高めて周囲を観察してください。

なお、文房具や紙袋といった、会社の備品類の使い方のほか、交通費の精算、仕事に使用する資料の購入などについても、会社によってルールが異なることを認識しておいてください。例えば、文具であれば会社が一括購入したものを使うのか、自身で購入して経費として精算するのか、タクシーの利用が認められるのはどんなケースか、仕事に使用するものの購入はどの程度まで経費で落とせるのか――などはケース・バイ・ケースです。前の会社と同じ感覚で行うと、後からとがめられることもあり得るので、細かなことでも確認を取るようにしましょう。

メールのルールも、会社によってまちまちです。特に、CCやBCCの使い方は会社によって慣習が異なります。例えば、「チームメンバー全員に必ずCCを入れる」「顧客に対する連絡は、上司にBCCを入れておく」といったような社内ルールを持つところは珍しくありません。その会社のルールや慣習を無視して、前の職場の感覚のままでいると、混乱を招くこともあるので、注意が必要です。

このような例は他にもいろいろあるはず。うっかり前の会社での習慣を引きずらないよう、周囲を見回して、事情を察するなり、「これはOKか」を確認するなりしてください。

社内になじまない言葉を使う

国や地域ごとに言語が異なるように、会社によっても言語が異なります。その言語習慣に早くなじむことも大切です。

無意識に人をイラっとさせるおそれがあるのが、「カタカナビジネス語」。例えば「アジェンダ」「アサイン」「イシュー」「エビデンス」「バジェット」といったものです。会議やプロジェクトに「ジョインして」という言葉なども、ある会社では日常的に使われていても、風土が異なる会社に行けば、「何をかっこつけて言ってんの?」と異質に感じられてしまうようです。

こうしたカタカナビジネス用語は、どれを使いどれを使わないのか、会社によって習慣が異なります。「違う言語を話す人が入ってきた」と思われると、既存社員に警戒心を抱かせてしまうかもしれません。最初は皆が話す言葉を観察しつつ、発する言葉を選ぶことをお勧めします。

なお、職種の位置づけや役割が大きく異なることもあります。例えば「マーケティング」という職種には、「リサーチ」「広報・宣伝」「販促企画」「営業企画」などの要素が含まれますが、その会社のマーケティング担当者がどこまでを担っているかは会社ごとに異なります。これは多くの職種に言えることです。

また、同じ役職名でも、その責任の範囲や社内での影響力に違いのあるケースもあります。「マネジャー」や「リーダー」という役職名を持つ人が、どの程度の範囲を掌握し、裁量権を持っているかも、会社によって異なります。

職種名・役職名を聞いただけで、これまでいた会社のものさしで「こういう役割の人なんだろうな」と勝手に判断しないようにしましょう。一般的な共通言語に見えるものでも、その会社では何を指すのかを意識し、正しく理解するようにしてください。

森本千賀子

morich代表取締役兼All Rounder Agent。リクルートグループで25年近くにわたりエグゼクティブ層中心の転職エージェントとして活躍。2012年、NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演。『マンガでわかる 成功する転職』(池田書店)ほか、著書多数。

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