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出典:NIKKEI STYLE 出世ナビ 次世代リーダーの転職学

企画・人事・経理に広がるフリーランス 稼ぐ人の条件

エグゼクティブ層中心の転職エージェント 森本千賀子

在宅を主体に働く選択肢が広がってきた。写真はイメージ=PIXTA

「フリーランス」といえば、一昔前までは、ライター、イラストレーター、カメラマン、デザイナーといったクリエイティブ職、加えて近年ではIT(情報技術)・ウェブのエンジニアなどの職種をイメージする人が多かったのではないでしょうか。しかし、このところ、マーケティング・企画・広報・経理・財務・人事・法務といった「ビジネス系フリーランス」が増えています。

彼らは、複数の企業と契約して、専門性の高い仕事を請け負います。こうした「会社員」でも「事業家」でもない働き方をする人はインディペンデント・コントラクター(IC)という名称でも活動しています。

今回は、特定非営利活動法人インディペンデント・コントラクター協会の理事であり、人材・組織コンサルティングやEQ(感情知性)プログラムなどを手がける「アイズプラス」の池照佳代代表にも話をうかがいながら、ビジネス系フリーランス・ICのトレンド、向くタイプ・向かないタイプなどをご紹介します。

「業務委託」の活用範囲が広がってきた

池照さんは14年間にわたり、複数の大手外資系企業で人事を担当。「子供と一緒にいる時間を最大限確保する」×「経営に近いところで人事の仕事をする」という二つを実現させる働き方として、2006年にICへ転向しました。現在はIC協会の理事を務めていますが、この14年でICを取り巻く社会環境は大きく変化しているといいます。

「10年ほど前は、企業側にICを受け入れる体制がないケースが多かったのですが、この2~3年、受け入れを希望する企業が増えています。専門職人材の採用ができない、採用しても定着しない、あるいは環境変化が激しい中で正社員雇用を増やすにはリスクがある……といった背景から、業務委託の導入に抵抗がなくなってきました。また、企業が受け入れたいとする職種・ポジションも広がっています。以前のICはピンポイントの専門性を持つ人が中心で『事業創出』『新しい仕組みづくり』『変革』などを請け負うことが多かったのですが、最近では汎用性が高いスキルを活かし、オペレーションレベルで企業ニーズにこたえている人も増えています」(池照さん)

こうした傾向は、転職エージェントである私も実感しています。「このポジションの正社員を採用したい」から、「このスキルを持つ人材にプロジェクトに参加してほしい。雇用形態は問わない」というニーズが増えているのです。

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「時間・場所にしばられず働きたい」というニーズ

一方、フリーランス・ICといった働き方を選択する人に目を向けてみましょう。彼らがこうした働き方を選択する理由。その多くは「時間・場所にしばられず、生産性が高い働き方がしたい」というものです。

育児や介護、あるいは趣味の活動を重視したい。しかし会社組織にいれば、さして重要でもない会議に出席したり、部下のマネジメント・評価に頭を悩ませたりと、「専門業務」以外に時間を割かなくてはなりません。それらを排除し、自らの専門スキルを生かす仕事に集中して、時間あたりにすると高単価の報酬を得よう――ということです。

例えば、「これまでは趣味でやっていた音楽活動を本格的にやりたい」「トライアスロンが趣味で、海外の大会に出場するため長期の休暇を取りたい」といった理由でフリーランスに転向した人がいます。そうした「二足のわらじ」的な生活をしようとすると、以前なら「アルバイト」「派遣社員」が主な選択肢でした。しかし今は、それよりもレイヤーが高いポジション・仕事内容で「業務委託」として働く人が増えているというわけです。

また、ある経営コンサルタントは「子供を自然豊かな環境でのびのび育てたい」と、地方への移住者優遇制度を活用して家族で離島へ移住。ご本人は2カ月に1度程度、東京に来ては、1カ月ほど滞在してプロジェクトに携わり、普段はリモートで対応するというスタイルで働いています。

「複数の会社で、幅広い経験を積みたい」という選択

フリーランスやICという働き方を選択する人たちの理由は「働く時間・場所を自由に」ということだけではありません。「専門職としての経験値を高め、スキルを磨き続けたい」という声も聞かれます。「一つの会社に属しているよりも、複数の会社を経験するほうが、バリエーションに富んだプロジェクトを経験できる」「単一モデルではなく、複数のモデルの知見を得られる」ということです。

あるいは「成長ステージ」にこだわる方もいらっしゃいます。例えば、「立ち上げ」のフェーズで一から仕組みをつくることにやりがいを感じている人は、「運用」フェーズに入ったら、後任者に任せ、自分は次の「立ち上げ」に取り組む――。そんなサイクルを「転職」ではなく、「業務委託」というスタイルで実現しているのです。

フリーランスやICとして活動する人の年齢層は様々ですが、IC協会の会員については40代後半が中心だそうです。50代の人たちも大勢が活躍しています。

「役職定年になったのを機に、ICに転向した人、役職定年を見越して少し前からICとして活動を始める人もいます。最近では役職定年後に半分は会社勤務・半分はICとして活動するという人も見られるようになりました」(池照さん)

なお、報酬については、「時給制」も一部にあるものの、プロジェクト単位で支払われるケースが多いようです。当然ながら業務の負荷によって金額が異なりますが、目安として「週1回出社・随時リモート対応・月20万円」といった例が見られます。活躍しているフリーランス・ICは、そうした契約先を複数持ち、比較的高い年収を実現しています。

池照さんによると、「収入は二極化している。年収数百万円の人もいれば、業務委託や顧問を掛け持ちして数千万円を稼ぐ人も少なくない。自身の稼働や収入レベルも自らで設定するのがICの働き方」とのことです。

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フリーランスに向く人のスキル、人柄とは?

では、フリーランス・ICに向くのはどんな人なのでしょうか。こうした働き方で活躍している人の特性・志向としては次のようなものが挙げられます。

・複数のスキルを持ち、掛け合わせて生かしている

1種類の専門スキルを持つ人は大勢いても、別のスキルを掛け合わせることで「希少人材」として価値を発揮できます。

「専門スキルに、『+英語』『+プロジェクトマネジメント』『+経理』など、プラスアルファを持っている人が活躍しています」(池照さん)

・メリハリをつけ、セルフコントロールができる

「ICには労務管理をしてくれる人がいません。24時間・365日働ける身分ですので、働きすぎて身体を壊してしまう人もいるのが実情です。自律的に時間や仕事時間のメリハリをつけることが継続のカギとなります」(池照さん)

・意思決定力がある

依頼を受けたとき、それを受けるべきか受けないべきか。メリット・デメリットを踏まえ、中長期視点も持って判断する必要があります。これまで上司の指示に従って仕事をこなしてきた人は、その意思決定にハードルを感じることもあります。

「ICは『仕事をいただこう』というスタンスではありません。ニーズに応じて、自分でプロジェクトを創り出し、スピーディーに決断し、自ら推進していきます。『常に意思決定者である』という点が、ICという働き方の大きな魅力だと思います」(池照さん)

・「孤独」に強い

会社を辞めてフリーランスになったものの、孤独感を抱いてしまう人もいらっしゃいます。「組織に守られている安心感」「周囲に仲間がいる環境」が恋しくなり、再び正社員として就職する人も見受けられます。

しかしながら、池照さんは「ICのありようは、世間がイメージするような『一匹狼』とは限らない」と言います。「私自身よく言われるんです。『組織がわずらわしいからICになったの?』と。でも実際には私自身も様々な人・企業・団体とコラボしているんです」

「IC同士で手を結ぶこともありますし、NPOと一緒にプロジェクトに取り組むこともあります。プロジェクトを立ち上げるとき、起点となるのは企業より、ICのほうがスピードが速い。今後、ICが起点となってコラボレーションを推進し、企業では生み出せないような価値を創出していくのではないかと、私は想像しています」(池照さん)

今は副業(複業)解禁が進んでいます。「複数の会社で働く」が当たり前になる時代に、転職を考えたとき、「別の会社で正社員」と「フリーランス・IC」という選択肢をごく自然に両天秤にかけるようになっていきそうです。

森本千賀子

morich代表取締役兼All Rounder Agent。リクルートグループで25年近くにわたりエグゼクティブ層中心の転職エージェントとして活躍。2012年、NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演。『マンガでわかる 成功する転職』(池田書店)ほか、著書多数。

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