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出典:NIKKEI STYLE 出世ナビ 次世代リーダーの転職学

ミドルの転職最大の壁 「嫁ブロック」は3タイプある

経営者JP社長 井上和幸

転職プランが家族の反対で立ち消えになるケースは珍しくないという 写真はイメージ=PIXTA

40、50代のミドル、シニア世代の皆さんにとってキャリアプランとは家族やパートナーも含めたライフプランと切っても切り離せません。だからこそ、転職における意思決定においてのご家族やパートナーの意見や同意は切っても切り離せないもの。ところが、これがときにはあなた自身の意思決定を迷わせたり覆したりすることが多くあります。世にいう「嫁ブロック」。そこには非常に良い側面と、望ましくない側面とが混在しているのが事実です。ミドルやシニアが転職の最終意思決定で遭遇しがちな「嫁ブロック」は従うべきか、説得すべきか? ケースごとに考えてみましょう。

よい「嫁ブロック」=考え方や姿勢についての指摘

「今度、A社に転職しようと思っているんだ」。ある晩、あなたはパートナーに意を決して打ち明けます。「そう?どうして?」、パートナーの問いに、「今の会社も大変でさ。上司はなかなか意見も聞いてくれないし、このままじゃ、今後の昇進もおぼつかないからね」「そうなの。転職すれば、それは解消されるの?」「うーん、新しい場に行けば、気分も変わるだろうし」「それ、今の職場から逃げてるだけじゃないの? そんなんじゃ、次の職場に行っても、同じことが起きるんじゃないかなぁ。もっと今の職場や上司の人に向き合ってみたら? 転職するかどうかは、それをはっきりさせてからじゃない?」

身近な存在であるパートナーは、誰よりもあなたの性格やタイプをよく知っていることでしょう。そんなパートナーの鋭い指摘はあてになるはずです。

あなたが転職の相談をパートナーにしたときに、そのパートナーの指摘が「あなたの意思決定に迷いがある」「今の現職から逃げているだけ」「明らかに向いていない仕事や職場を選ぼうとしている」など、「あなたの考え方や姿勢」についてである際は、ぜひ、受けた指摘を、「わずらわしい、差し出がましい、気分が悪い」などと思わずに、冷静に受けとめてみることをお勧めします。そこには身内だからこそ気づいてくれている本質が含まれているケースが多いでしょう。

転職を切り出した際にパートナーがあなた自身の意思決定について感じた違和感こそ、今のあなたが抱えている今後の仕事、キャリアについての本質的な課題なのです。

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悪しき「嫁ブロック」=世間体・ブランドを意識

「今度、B社に転職しようと思っているんだ」。そう切り出したあなたに対して、パートナーは「えー、なんで? 有名企業を捨てて、そんな中堅企業に行ってどうするのよ? 実家や親戚だってなんて言うことか」「給料下がっちゃうんでしょ? 困るわよー、家計のやり繰りが変わっちゃうじゃない」「転職なんて大丈夫? 知らない人たちばっかりでしょ、不安だわ」

一般的に世にいう「嫁ブロック」は、このケースを指しています。転職先の会社の「格」が低い。年収が下がってしまう。転職されること自体が不安。反対理由がこうした転職先のネームバリュー・企業ブランド、報酬などといった「転職先企業のハード情報」についてである際、パートナーと向き合い、いろいろと本質的なすり合わせと協議を要します。

これは実は、ことは単に「転職先企業のハード情報」にあるのではないということに気づくことが最も重要です。そう、パートナーは転職への難色を、「転職先企業のハード情報」にかこつけていますが、本音は「自分のプライド、安心感」にこそあるからです。

目先の年収ダウンだけで反対されている、大手企業勤務などの企業名・ブランドを失いたくない、単純に転職されるということに対する不安。もちろんこれらを失うという感覚を持つパートナーの心情は察してあげるべきです。

ただ、パートナーにしっかり理解してもらいたいこともあります。それは、あなたの仕事上での充実と活躍こそが、今後の家族やパートナーとの人生を中長期的により良いものとするという観点から考えれば、あなたが現職でくすぶっている・満たされていない状況よりも、新天地で輝き活躍することのほうが望ましいライフプランをもたらしうるのだということです。

そのためには、現職での状況や本音についても、現状以上にしっかりと情報共有することも大事です。往々にして企業ブランド、世間体、給与水準などを重視するパートナーをお持ちの人は、実際の職場での状況や立ち位置、ご苦労などを共有していないことが多く、これがさらに「嫁ブロック」を助長させていることが少なくありません。

あなたに今回の転職が本質的・中長期的観点から見て自分の仕事上のあり方として望ましいものだという確信があるならば、このケースでパートナーの説得、合意が難しければ、押し切ることも大事。それぐらいの覚悟で対話に臨んでください。

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擬似「嫁ブロック」=自分の逃げ

「嫁ブロック」には、良い「嫁ブロック」と悪しき「嫁ブロック」があることをご紹介しました。実はもうひとつ、擬似「嫁ブロック」が存在しています。

C社から採用内定が出て、先方の人事部長から「●月●日までに回答いただけますか」。「いや、実は、妻に反対されていまして。もう少し先までお時間を頂戴できますでしょうか」

私たちエージェントが仲立ちをしている選考でも、時折こうした相談を転職希望者から受けます。もちろん、先にご紹介した通りのパートナーからの懸念、反対が出ていることが理由であることもあります。

その一方で、実は自分が迷っていたり、不安に思っていて決めきれなかったりという状況を、「嫁ブロック」のせいにしているというケースもままあります。これはいただけませんね。非常に情けない行為だと思います。第一、家族やパートナーにも失礼です。

新卒、第二新卒ならいざ知らず(だから彼ら世代がうそのエクスキューズを使ってよいということはありませんが)、社会経験も十分、組織上も相応以上の責任のある立場であるミドルやシニアが、こうした手段をとる時点で、私はその人はマネジメント職失格だと思います。

自分が迷っているなら、そう言えばよいでしょう。本稿の結論を申し上げれば、家族やパートナーの意見を聞き、協議し、検討するとしても、最終的に意思決定するのは自分自身以外にはありません。

仮にその最終意思決定を他人に預けているとしたら、その時点でリーダー失格です。そもそもの転職活動、自身の仕事価値観やキャリア観を見直すべきでしょう。

もしあなたが転職活動の最終意思決定場面で「嫁ブロック」に遭遇したら、次の2つをご確認ください。

  • あなたが生き生きと働ける場にいることでしか、パートナーや家族の幸せはなし得ない
  • 最終的な意思決定をするのは、パートナーでも人材エージェントでもなく、あなた自身である

この原理原則をしっかりパートナーと共有し、明るい未来のライフプランのための一歩を進めてください。

井上和幸

 経営者JP社長兼CEO。早大卒、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、リクルート・エックス(現リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。「社長になる人の条件」(日本実業出版社)、「ずるいマネジメント」(SBクリエイティブ)など著書多数。

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