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40歳からの転職、市場価値を上げる6つの分かれ目

ミドル世代専門の転職コンサルタント 黒田真行

市場価値が上がるかどうかには、6つの分かれ目があるという(写真はイメージ)=PIXTA

厚生労働省の発表によると、2019年の有効求人倍率は1.60倍で、前年より0.01ポイント低下し、10年ぶりの低下となりました。求人数の下降トレンドが本格化すると、中途採用市場における市場価値の見極めは当然厳しくなります。では、40歳を超えて市場で高く評価される人とそうでない人の違いはどこになるのでしょうか。今回はその違いを6つの「分かれ目」を通して、明らかにしていきます。

40代以上で転職をする場合、一般的に企業から求められる最重要の要素は、いかに結果を生み出せるかどうかです。具体的な役職やポジションが明確にある場合も、あるいはメンバーの1人として現場に配属される場合でも、事業を健全に成長させていくために質の高い結果をいかに生み出せるかということが問われます。そして、それらを定量的、かつ論理的に説明できるプレゼンテーション能力も不可欠です。

定量で数字をもとにロジックで語れることは、もし、結果が出ない場合であっても、振り返りが可能で、早期に軌道修正することができるからです。また、想定通りの結果が出た場合には、結果を生み出すまでのコンディションやレシピが明確なので再現性があるということになります。単なるまぐれや成功要因が不透明な結果は、企業によっては歓迎されない成果になってしまう恐れもあります。

これとは逆に、プロセスや定性的な頑張りを自分の強みと置いてしまう人は、履歴書や職務経歴書などでの書類選考に段階で、コミットメント力、戦略性、論理性が弱いとみなされ、選考の俎上(そじょう)にも上らない可能性が高まってしまいます。「定量×結果重視」か、「定性×プロセス重視」かというのが最初の分かれ目です。

転職希望者との面談で、希望する業界や職種を尋ねますが、ここにも大きな違いがあります。40代以上で相対的に市場価値が高い人は、自分が勝負すべき市場を事前に調べ尽くしています。つまり、自分の経験や知識が、どんな業界や職種、企業特性の中で需要がありそうなのかということを、求人サイトやスカウトの動向などで調べ、その範囲の中から希望する方向性を選び取っているということです。

逆に、希望する会社選びの段階で遠回りをしてしまい、結果的に市場価値を下げることになるリスクを抱えている人は、自分の価値観や志向、極端に言えば、好き嫌いレベルの判断基準で希望条件を設定していることもあります。「自分」という商品が生み出せる提供価値を顧みない希望条件の設定は、ひとりよがりなものになってしまうので、転職活動も苦戦を強いられる結果となってしまいます。「仕事選びが需要起点か、内面起点か?」は第2の分かれ目といえるでしょう。

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「レバレッジ型か、自家発電型か」 「遊軍型か、定位置型か」

市場価値が高い人の共通点として、与えられたミッションを遂行しようとするときに、レバレッジ(てこの原理)を活用しようとする傾向が挙げられます。これが第3の分かれ目。自分自身が媒体となって、有効なノウハウを知っている協力者を見つけ、巻き込んで成果につなげていくという考え方です。

逆に、市場評価が上がりにくいのは、何でも自分一人の力で解決しようとする(してきた)人です。IT(情報技術)や人工知能(AI)などの業界は特にそうですが、それ以外の業界でも、あらゆる業務は複雑化し、求められる速度やコストパフォーマンスは上がり続けています。ホワイトカラーやエンジニアなど、期待される生産性が高い領域で仕事をしていくには、自分だけでないスペシャリストをつないでいくレバレッジ力や人脈編集の力量が高く評価される時代になっています。

自分の役割をきっちり明文化して、与えられた責任範囲をしっかりと守る。逆に、他のメンバーの領域を侵さずに餅は餅屋に任せていく。製造業を中心とした大企業では精密な分業体制が構築され、責任範囲を分けて事業活動を運用することが効率的でした。

しかし、インターネットやクラウドサービスの登場で企業の戦略も機動性が求められるようになると、固定化した分業がスピードを阻害するケースも増加してきたため、ベンチャー企業や外資系企業などを中心に、自立自走型組織を目指す企業も増えています。

そんな組織の中では、決められたポジションに固定されるのではなく、サッカーで言うミッドフィルダーのように、縦横無尽に動き、プロジェクトリーダーやマネージャーであっても必要に応じて自ら手を動かす柔軟性が必要とされています。第4の分かれ目はこの「遊軍型か、定位置型か?」です。「自分はこれまで経験を積み上げてきたので、これからはマネジメントに徹して若手の育成に注力していきたい」という管理職のみを希望する人は、企業から見た場合に「使い勝手が悪い」と敬遠されてしまうリスクがあります。

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「組織成果か、個人成果か」 「命題設定派か、遂行型か」

第5の分かれ目は「組織成果重視か、個人成果重視か?」です。40代からの市場価値を分ける、もう一つ大事な視点が、組織としての成果を重視して動けるかどうか、というポイントです。個人事業主として起業を目指すような方は別として、組織として成長していくためには、組織力が必要不可欠です。

一部の個人向け営業を中心とした事業会社の場合は、強い個人の野武士集団が最善の生存戦略になっていることはありますが、そんなケースはごく一部に限定されています。属人的で再現性の薄い個人成果の集積ではなく、柔軟なチームプレーによる組織成果の最大化に貢献できるかどうかが新たな人材評価のモノサシとなっています。

最後の第6の分かれ目は事業や組織にとっての重点課題=命題に関する態度です。「命題設定派か、命題遂行型か?」と分けられます。会社の経営者や上司から降ろされてくる事業命題は、組織が硬直化していればいるほど、全体最適より部分最適が重視されていたり、手段の目的化がまかり通っていたりして、事業推進に適さないKGI(重要目標達成指標)やKPI(重要業績評価指標)が使われていることがあります。

こういう時に、命題の誤りを発見し、円滑に軌道修正して健全な結果を生み出す方向にどこまで影響力を発揮できるかどうかは極めて重要です。いったんは組織内で手続きを経て決められたものだけに正面突破で覆すのはむずかしく、巧みなボスマネジメント力が必要です。

上司や経営者などの上位階層の関係性やタイプや好みを知り、それに合わせてアプローチを変えていく必要があります。組織内政治力とも言え、公式に求められるスキルに挙げられることはほとんどありませんが、これからのミドルマネジメントにはこの力が圧倒的に必要とされます。求められていなくても、この力を活用して結果を出せると、極めて高い評価につながるスキルです。

逆に上司との関係がうまく構築できず、上司が自分の仕事の「邪魔者」「障害」と考えてしまう40代は、結果を出すことがむずかしく、結果的に市場評価も下がってしまうリスクが高くなります。

総じて、これからの時代において市場価値が高い人材は、ひとつの企業内のみでの価値ではなく、複数の企業から評価されうる流動性の高いスキルを持っている人と言えると思います。ぜひ今回ご紹介した6つのポイントを、あなた自身の市場価値を高める参考にしていただけると幸いです。

黒田真行

ルーセントドアーズ代表取締役。日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。2019年、中高年のキャリア相談プラットフォーム「Can Will」開設。著書に『転職に向いている人 転職してはいけない人』、ほか。
「Career Release40」http://lucentdoors.co.jp/cr40/
「Can Will」https://canwill.jp/

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