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出典:NIKKEI STYLE 出世ナビ 次世代リーダーの転職学

首都圏から遠隔ワークでOK 地方が招く転職人材とは

エグゼクティブ層中心の転職エージェント 森本千賀子

首都圏に住んだまま、地方企業で働く選択肢が広がってきた(写真はイメージ)=PIXTA

地方では首都圏でビジネス経験を積んだ人材へのニーズが多く、私も転職エージェントとして多くのご相談をいただいています。実際に転職事例も生まれています。そして、「正社員として迎える」だけではなく、「週に数日出社、あるいはリモートで働いてもらう」という雇用形態を受け入れる傾向が強くなっています。

では、「首都圏から人材を呼び寄せたい」というニーズにはどんな背景があるのでしょうか。そこにはいくつかのパターンがあります。

●事業拡大・海外展開を図る優良企業が戦略策定、推進できる人を求める

地方の老舗優良企業や成長企業が全国、あるいは海外にマーケットを広げようとする際、既存社員には知見やノウハウがないため、外部からの採用を行います。特にウェブマーケティングの知見を持つ人が求められています。

●事業承継にあたり、「次世代経営陣」を求める

地方企業でも経営者の高齢化に伴い、事業承継の問題が深刻化しています。実子や親族、あるいは社員から登用して事業承継を行うわけですが、それを機に高齢化した経営陣を刷新するケースが多数あります。

こうした2代目・3代目社長は、大都市圏で企業に勤務した経験を持つ人が多く、新しいビジネスモデルや経営手法を導入するのに意欲的。その「変革のパートナー」となる人は、やはり同じように大都市圏でビジネス経験を積んだ人が適任、と考えるわけです。

●IPOを目指し、組織体制を整備する人材を求める

資金調達の手段としてIPO(新規株式上場)を検討している企業が、それに向けての組織整備を担う管理部門人材を求めるケースも見られます。

いずれのケースにしても、業種・規模はさまざま。一例を挙げるなら、ニッチマーケットで高い世界シェアを獲得しているメーカー、地方の人材流動を促進するため新しい仕組みを仕掛けている人材サービス企業、インバウンド需要に合わせた工夫を凝らしたサービスを提供しているホテルや旅館など観光関連企業、電子商取引(EC)サイトで地場の名産品の売り上げを伸ばしている食品関連企業、先進的な経営をしている医療・福祉関連企業などがあります。

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実際に採用されている人材、働き方は?

「首都圏でビジネス経験を積んだ人が地方企業に転職」と聞けば、「実家がある故郷にUターン転職」を想像する方も多いと思います。ところが、私が主に携わっている「経営幹部採用」に関しては、その土地に縁もゆかりもない方が「Iターン・Jターン」するケースがほとんどです。

事業拡大を図る場合、「CxO」のほか、マーケティング、新規事業開発、管理部門などの人材が採用されています。首都圏でマネジャークラスだった方が「CxO」へポジションアップするほか、メンバークラスも歓迎されています。

一例を挙げると、こんな転職事例が生まれています。

●大手ネット企業のウェブマーケティング経験者が地方の大手食品メーカーへ

●大手電機メーカーグループから、「海外事業責任者」として地方の半導体部品メーカーへ

●外資系企業の最高財務責任者(CFO)が、地方でクリニックを展開する福祉企業の管理部長に転身

事業承継を目的とする場合、オーナー自身、もしくはファンドが求人を出し、社長の後継者となる人材が採用されています。最初から「社長」として迎えられるケースと、まずは「CxO」「事業部長」などとして入るケースがあります。

後継者が社長の子息で、まだ若く経験が浅い場合は、新社長を支える「管理部長」「経営企画」「社長室室長」といったポジションでの採用となります。

「Uターン」ではなく「Iターン・Jターン」が多いとお伝えしましたが、通常の転職と異なり、「移住」ではなく「単身赴任」という形をとる方が多いのが、昨今の特徴です。

子供がまだ幼い30~40代であれば、家族全員で移住するケースも多数あります。「自然豊かな土地で子どもを育てたい」という方、また、大手企業の地方支社に転勤した方がその土地を気に入り、東京本社に戻りたくなくてその地で転職する……という事例も見受けられます。

一方、子供が独立した50代の場合、家族を首都圏に残して単身赴任し、月1~2回、週末に帰るスタイルが多く見られます。50代の場合、役職定年を迎えて、もしくは数年後の役職定年を見越してセカンドキャリアを模索します。首都圏で転職先を探す中で、たまたま自分の経験が生かせて、やりがいを感じられるポジションが地方にあった……という流れで、地方への転職を決断する方が少なくありません。

この年代になると、奥さまも自身の生活スタイルを確立しているので、「離れて暮らし、月1~2回会う」という「ほどよい距離感」を歓迎するようです。奥さまが単身赴任先を訪れ、その土地を気に入った結果、ご夫婦で移住するケースも見られます。

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首都圏と地方を行き来する複業・兼業が増加へ

今後、セカンドキャリアを歩んでいくにあたり、再就職ではなく、起業フリーランスというスタイルを選ぶ方も増えていくでしょう。複数企業から業務委託で仕事を請け負い、その中に地方企業がある――つまり、首都圏と地方で複業・兼業するというスタイルも広がると思います。

地方企業側でも、そうしたスタイルを受け入れる姿勢があります。首都圏で経験を積んだ人材がほしくても、わざわざ引っ越してきてもらい、フルタイムで雇用するとなると、労力もコストもかかります。そこで、週に数日や月1日、あるいはリモートでもいいので、高いスペシャリティを持つ人に基本戦略の策定やプランニングなど「道筋をつける」部分を担ってほしい、と考えているのです。

まずは業務委託からスタートし、双方の合意があれば正社員として迎えることもあります。

このような働き方、転職の可能性が拡大していますので、セカンドキャリアのプランを練る際には、全国へ視野を広げてみてはいかがでしょうか。ご自身の価値を最大限に発揮して活躍できる場に出会えるかもしれません。

地方で働くことを検討するなら、「地方の求人に強い転職エージェントに相談する」「Uターン・Iターン転職フェアに参加する」などの方法があります。

また、内閣府は、地方創生の取り組みの一環として「プロフェッショナル人材戦略事業」を行っています。これは、大都市圏の企業と比べて採用力が弱い地方企業でも、「プロフェッショナル人材」(大都市圏にいる、事業企画や経営の経験が豊富な人材)を活用できるよう支援するもの。各道府県に「プロフェッショナル人材戦略拠点」が設置されています。興味がある地域があれば、その都道府県のプロフェッショナル人材戦略拠点から情報を得てはいかがでしょうか。

森本千賀子

morich代表取締役兼All Rounder Agent。リクルートグループで25年近くにわたりエグゼクティブ層中心の転職エージェントとして活躍。2012年、NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演。最新刊『マンガでわかる 成功する転職』(池田書店)、『トップコンサルタントが教える 無敵の転職』(新星出版社)ほか、著書多数。

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