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出典:NIKKEI STYLE 出世ナビ 次世代リーダーの転職学

総合職でもスペシャリストでもない 10年後必要なのは

ミドル世代専門の転職コンサルタント 黒田真行

かつてはゼネラリストかスペシャリストがキャリア選択の主流だった 写真はイメージ =PIXTA

6月に入り、オフィス街が平常モードに戻りつつあります。企業活動や経済も、長い冬眠から目覚めて、できれば平穏に復調してもらいたいところです。しかし、ビジネス社会にはアフターコロナの変化が目に見えてきました。リモートワークの継続や会議のオンライン化、在宅勤務の評価制度なども徐々に変化の兆しを見せています。今後、10年を見据えたとき、働く環境や求められる人材像は、具体的にどう変化していくのでしょうか。

平成までの日本社会では、ゼネラリストを目指すか、スペシャリストを目指すべきかという二項対立で、キャリアの積み方を語られることが多かったと思います。一般的には、広範囲な知識や技術、経験を持つ人材をゼネラリスト、特定分野に深い知識や優れた技術を持った人材をスペシャリストと分類してきました。

スペシャリストといわれる職域は、IT(情報技術)エンジニアや電気・機械、建築などの技術系、会計士や弁護士などの資格系が中心でした。

一方、営業や事務などのホワイトカラーは、総合職という形で入社し、人事異動や転勤などによる人事ローテーションで、様々な部署、職種、地域の経験を積んでゼネラリストになっていく傾向がありました。結果的に部門を超えた社内人脈が広がり、社内での調整にはたけているが、社外での通用度が見えにくい「社内限定ゼネラリスト」として育成されることがほとんどでした。

スペシャリストのほうも会社ごとの職務要件や運営ルールが違いすぎて、じつは「社内限定スペシャリスト」にすぎないスキルしか持てなくなるリスクも大きくありました。技術やアウトソーシングの進化に伴い、社内で「その人にしかできない」と思われていた業務が実は社外の専門家に委託したほうがコストと成果が大きかったり、そもそもの専門性がテクノロジーに置き換わったりする現象も枚挙にいとまがありません。

結果的に、「ゼネラリストでいくのか、スペシャリストになるのか」というこれまでの選択肢そのものが選択肢ではなくなり始めているというのが現在の実情です。では、30、40代までこれまでの流れで働いてきたベテラン人材は、この変化にどう向き合っていくべきなのでしょうか?

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めざすべきは、プロデューサーか、テクノロジスト

リクルートワークス研究所が、2030年の働き方の未来を予測した「テクノロジーが日本の『働く』を変革するWork Model 2030」では、従来のゼネラリスト、スペシャリストとは異なる新たな4つのプロフェッショナル像の指針を提示しています。

4つのプロフェッショナルとは、専門性を「開発する」か「活用する」か、という軸と、対象エリアが「グローバル」か「ローカル」かという軸の掛け合わせからなります。

ここでは専門性開発型人材をテクノロジスト、専門性活用型人材のことをプロデューサーと名付けています。プロデューサー、テクノロジストを簡単に説明すると、次のようになります。

・プロデューサー

広範な知識と経験に基づく調整力にたけたゼネラリスト以上に、社内外のさまざまな人々を結びつけて収益を生み出す力を有している人材

・テクノロジスト

限られた職域で定型的な業務に注力するスペシャリストよりも、さらに専門性が高く、仕事に必要なテクノロジーを使いこなすことができる人材

プロデューサーは、複数の専門領域に精通し、テクノロジストの力を借りて、新しい価値やビジネスモデルを生み出す人材です。彼らは自身のアイデアをコンセプトにするために、グローバルにもローカルにも、幅広く活躍の場を求めます。その活躍が、経済全体を活性化させて、所得増加をもたらすと説明されています。

また、プロデューサーは事業目的のために、資金調達、事業投資、人材投資など、組織能力を最大化して、経営資源を効率的に活用し、その成果を「組織知」化していく人材だそうです。かなりダイナミックですね。

一方で、テクノロジストは特定の専門性を狭く深く持った高度な専門職で、テクノロジーを生み出し活用して、仕事の付加価値を高める人たちを指しています。

新しいソフトウエア、プログラミング言語を開発するイノベーター、定型業務を自動化し、経営上の意思決定などの非定型業務を迅速に執行できる事務専門職、テクノロジーを自在に駆使できる現業職、感情の機微に臨機応変に対応して目の前の人を幸せにする対人サービス職のように、これまでのスペシャリストの概念を大きく超えて、高度に専門化した知識・スキルを有した人たちです。

今後もしプロデューサーにもテクノロジストにもならないとすると、従来型のゼネラリスト、スペシャリストというカテゴリーのまま過ごすことになり、相対的に市場価値が低減していくリスクがあるということになります。

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「しくみをつくれる人」の共通点とは?

1950年ごろに生まれ、新中間層と呼ばれたホワイトカラーは、そこから70年経過して、より生産性の高い領域に進化しようとしています。このプロデューサーやテクノロジストを、さらに総称すると、「しくみをつくれる人」ということになるのではないでしょうか。

世の中は、プラットフォームの時代になっています。検索サイトが最も代表的ですが、ほかにも、中古品売買、求人、結婚パートナー探し、住宅などのありとあらゆるマッチングサイトも、プラットフォーム化しています。そのサイト内で、利用者が増えれば増えるほど、プラットフォームを提供している会社がもうかるしくみになっています。

このしくみのよさは「一度、つくったら動き続けてくれて、運営者がいなくてもしくみが稼ぎ続けてくれる」という点にあります。

労働集約の時代には、「与えられた情報を分析して整理し、言語化できる人」がエリートと呼ばれてきましたが、これからはプラットフォームのような「しくみをつくれる人」が求められていくことになります。

しくみをつくるには、自らの企画開発能力が必要なだけではなく、多様なプロデューサーやテクノロジストの力を借りて、事業を組み上げていく編集力が不可欠です。それを実現していくためにはテーマを設定し、ビジョンを言語化し、周囲を巻き込んで協力を得なければなりません。

コロナ・ショックをきっかけに、世の中の価値観が動き始めています。これから10年後の2030年に社会から求められる人材になるために、この記事を参考にしていただき、少しずつ準備を始めていただければ幸いです。

黒田真行

ルーセントドアーズ代表取締役。日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。2019年、中高年のキャリア相談プラットフォーム「Can Will」開設。著書に『転職に向いている人 転職してはいけない人』、ほか。
「Career Release40」http://lucentdoors.co.jp/cr40/
「Can Will」https://canwill.jp/

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