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オンライン面接の新常識 「伝わりにくさ」を破るコツ

エグゼクティブ層中心の転職エージェント 森本千賀子

転職採用時のオンライン面接は今後も定着していくとみられる。 写真はイメージ =PIXTA

転職希望者の採用にあたってオンライン面接が常態化したのは、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が発令された4月以降の大きな変化です。今後、仮にソーシャルディスタンス(社会的距離)を意識する必要がなくなったとしても、オンライン面接は継続利用されると、私はみています。2、3次、最終面接などは対面で行うにしても、1次面接に関してはオンラインで実施されるケースが増えていくのではないでしょうか。そこで今回はオンライン面接の「メリットの生かし方」と「デメリットの克服方法」をお伝えします。

オンライン面接のメリットとは?

4月以降の2カ月をへて、「オンライン面接はメリットが大きい」という声が求人企業側からも応募者側からも挙がっています。企業側・応募者側ともに感じているオンライン面接のメリットは主に「日程調整がしやすい」「多くのメンバーと話せる」の2点です。

・日程調整がしやすい

面接日時の設定では、通常、お互いのスケジュールをすり合わせると、1~2週間先となってしまいがちです。その点、オンラインなら移動時間が不要のため、時間を捻出しやすくなります。

特に、4~5月は双方とも在宅ワークが多かったので、応募から2~3日後の面接が実現していました。日中、オンラインミーティングやオンライン商談などが入っていない時間を使うほか、早朝や夜間に行われたこともあります。

今後はテレワークが定着・拡大すると見込まれます。皆さん、この数カ月でオンラインコミュニケーションに慣れたこともあり、今後もスピードを重視して、オンラインで1次面接が行われる可能性は高いと思います。

・多くのメンバーと話せる

通常の対面面接は1対1や1対2で行われるケースがほとんどです。一方、オンラインでは、企業側から4~5人のメンバーが面接に参加することもありました。

企業側としては入社後に関わるメンバーに、なるべく多く会わせたい、いろいろな人の視点で応募者を見て評価したいという思いがあります。リアルの場合、多人数の日程を調整するのは至難ですが、オンラインであれば多人数を調整することも意外とスムーズだったのです。

「1対多人数となると、応募者はプレッシャーを感じるのでは」と思うかもしれませんが、応募者の側もメリットを感じていました。一つには、「いろいろな立場・タイプの人と会える」「チームの雰囲気やカルチャーを感じ取れる」ということ。そして、何か質問した際、相手が人事だと、「それは現場に聞かなければわからないので後日に」となることもありますが、同席メンバーの誰かが「それについては私が」と説明してもらえるので、疑問をその場で解決できるのです。

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応募者側に少なくない、オンライン面接のメリット

次に、応募者側にとってのメリットをみていきます。

・気負わず一歩を踏み出しやすい

わざわざ企業を訪問するのではなく、自宅からオンラインですぐにアクセスできるということで、応募者にとっては心理的ハードルが下がるようです。応募意欲がそれほど高まっていなくても、気負うことなく、「まずは話をしてみよう」というカジュアルな感覚で企業と接点が持てる。つまり、一歩を踏み出しやすいといえます。

・資料やメモを見ながら話せる、パソコン(PC)で記録を残せる

対面の面接において、応募者はその場で資料やメモを見ることをしづらいものです。しかしオンラインであれば、相手の目に触れずに資料やメモを「ちら見」できます。実際、別のモニターでその会社のホームページを見ながら面接を受けた人もいました。

伝えたいことをメモに書き、「カンペ(カンニングペーパー)」として見やすい場所に張っておくなどすれば、「しまった、あれを言い忘れた」という後悔も防げるでしょう。

オンライン面接に慣れてくれば、面接官が話した事業内容や業務内容の説明をPCに入力したり、議事録を取ったりすることも可能です。さすがに対面でカタカタとPCで入力するのは気が引けますが、オンラインならやりやすいでしょう。

オンライン面接は「伝わりにくい」がネック

では、オンライン面接のデメリット・問題点はどこにあるのでしょうか。要素はさまざまですが、一言でまとめるなら「伝わりにくい」です。

私は転職エージェントという立場上、オンライン面接への同席も行っています。面接者と応募者のやりとりを画面上で客観的に見ていると、「うまくかみあっていない」「話が盛り上がらない」「応募者が不利になっている」と感じる場面もあります。

オンライン面接で発生しがちな問題と対策をお伝えします。

・背後の音が気になり、集中できない

私がオンライン面接同席中、実際に聞いた音に「飼い犬の鳴き声」「子どものはしゃぐ声」「車が通る音」などがありました。

「自宅」という環境では、抑えようにも抑えられない音もあります。それは面接する側も理解しているので、評価がマイナスになることはありません。しかし、音が気になって話の内容に集中できなくなると、伝えたいことがちゃんと伝わらない可能性があります。

まずは、なるべく雑音が入らない場所を選ぶこと。「音源」となるものをなるべく遠ざけておきましょう。窓を閉めておくのも忘れずに。できれば音を拾わないようにイヤホンやヘッドホンを使用するのが望ましいですね。開始時に「後ろで子どもが大声を出すことがあるかもしれません」などと一言伝えておくだけでも、あまり気にならなくなるものです。

・暗い印象を抱かれる

照明が暗い、あるいは逆光などの環境では、顔が暗く映ります。本当は明るい人柄なのに、それが伝わらず、暗い印象を持たれてしまうのはもったいないことです。

室内の光の加減は時間帯によって変わりますので、面接を受ける時間の部屋の明るさ、顔の映り方を事前にチェックしておきましょう。その上で、照明を追加したり、角度を変えたりしてください。いわゆる「女優ライト」と呼ばれる、顔を明るく映すライトを活用する手もあります。

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オンライン面接のデメリットを知って、対策を講じる

・表情・リアクションがわかりづらい

画面が暗いと表情が見えないのはもちろんのこと、ある程度明るくても、画面上では表情が伝わりづらいものです。面接官が事業内容や業務内容の説明をしている間、聴くことに集中するあまり、完全に無表情で「固まってしまう」人も見受けられます。これでは、話している人はちゃんと理解してもらえているのか不安になってしまいます。

面接中は、なるべく笑顔を大きく作るように心がけてください。また、対面で話しているとき以上に、あいづちをまめに打ったり、「そうなんですか」「それはすごいですね」など、合いの手を入れたりするようにしましょう。少々オーバーアクションくらいでちょうどよくなります。「ちゃんと聞いていますよ」ということを、表情と仕草で伝えるようにしてください。

・思いや感情が伝わりづらい

採用選考において、「経験・スキルは十分とはいえないが、情熱を買う」と迎えられることもあります。しかし、オンラインでは画面を通している分、無機質な感じになるため、「熱い思い」が伝わりにくいといえます。

そこで、自分の思いを語るときには「カメラ」に目を向けてください。多くの人は、画面上の相手の映像を見ていますが、それだと視線が斜めに向いてしまいます。自分は相手の顔を見つめて話しているつもりでも、相手の目には「自分から目線を外している」状態で映っているわけです。

意識してカメラを見つめて話せば、相手には「自分にまっすぐ向き合って語りかけてくれている」と見えます。

・対面以上に「沈黙の時間」が気まずい

面接中の「沈黙」は気まずいもの。ぎくしゃくした空気になり、緊張が増してしまいます。そうなるのを防ぐためには、伝えること、質問したいことを整理して、紙に書き出しておくことをお勧めします。

・資料の共有に手間取ることがある

応募者が自身のPR資料や、相手企業への企画案をプレゼンするシーンもあります。このとき、資料を画面上にスムーズに出せず、焦ってしまうことも。オンラインミーティングでの画面共有に慣れていない人は、友人とのオンライン対話などでやり方を確認しておくといいでしょう。

上記のほか、淡々と進みがちなオンライン面接では、スタート時のアイスブレイクも大切だと感じます。軽い雑談から入ったほうが、お互いの気持ちがほぐれます。

相手の背景を見て、「そのバーチャル背景、いいですね」「素敵なインテリアですね」「ご自宅ですか。在宅ワークは多いのですか」といった言葉がけをしてみてはいかがでしょうか。

初対面の人とのオンラインコミュニケーションに慣れていない人は、オンラインワークショップに参加してみるなど、画面を通したコミュニケーションを練習しておくのも手だと思います。

森本千賀子

morich代表取締役兼All Rounder Agent。リクルートグループで25年近くにわたりエグゼクティブ層中心の転職エージェントとして活躍。2012年、NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演。最新刊『マンガでわかる 成功する転職』(池田書店)、『トップコンサルタントが教える 無敵の転職』(新星出版社)ほか、著書多数。

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