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出典:NIKKEI STYLE 出世ナビ 次世代リーダーの転職学

キャリアUPに欠かせない 自分ブランディングのコツ

エグゼクティブ層中心の転職エージェント 森本千賀子

自分ブランディングの決め手は信頼・信用の積み重ね。 写真はイメージ =PIXTA

キャリアアップを図るにしても、転職を成功させるにしても、自分の価値を高めるうえで、「セルフブランディング」は大きなテーマの一つだと思います。今回、このテーマを取り上げようと考えたのは、私自身、新人時代からセルフブランディングを意識して行動してきて、まさに今の自分につながっていると感じるからです。

コロナ禍で外出自粛となった4~5月、「営業活動がままならない」という声が多く上がるなか、私は求人企業や転職相談者など150件のアポイント(オンライン面談)をこなしていました。その多くが「紹介」です。もちろん、「人脈」を築いてきた成果でもありますが、「森本千賀子ブランド」を確立できた証であると実感しました。

私のセルフブランディングの始まりは、リクルート人材センター(現リクルートキャリア)に入社した日のことです。配属先のマネジャーからこう言われました。

「リクルートの看板で仕事するな」

40歳を迎えるころには、たくさんの先輩たちが卒業(起業したり転職したり)してしまっていた環境下、リクルートの看板に頼るのではなく「森本千賀子」という個人で勝負しろ、お客様から指名されるようになりなさい、ということです。

その言葉を受け、リクルートの看板を「利用しても、依存はしない」という意識が根付きました。その日から、自分の「ブランドづくり」が始まったのです。

「ブランドとは何か」といえば、「実績に対する信用」でもあり、それは「この人ならきっとこうしてくれるに違いない」という「未来への信頼」でもあります。

私がセルフブランドを築いてきた手法は誰にでもできるものであり、今の時代はより手軽に始められることだと思います。具体的にどんなことをしてきたかをご紹介しましょう。

自社の「評価軸」を把握する

私が最初に始めたのは、社内の身近なところでのブランドづくりです。このとき意識したのが、自社の「評価軸(価値観)」です。どんな会社にも「人事評価」がありますが、その判定基準(価値基準)は会社によって異なり、時期・時代によっても変化します。

自分がどんなに努力して成果を上げても、会社が重視している方向性と一致していなければ思ったほどには評価されません。ですから、評価の項目や内容をきちんと正しく理解することに努めました。「表彰」や「MVP(最優秀選手)への選出」といった指標を把握するのも同様です。

そのうえで、会社が大切にする価値観にもとづく行動を心がけました。

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上司への成果報告は、「プロセスの分析」も添える

近年は目標管理制度(MBO)を導入している企業も多いと思います。私が若手だった時代も、半期ごとに上司と面談し、目標達成度の振り返りを行っていました。このとき私は、成果を報告するだけでなく、「なぜこの成果につながったのか」のプロセスの分析・報告を人一倍細かく行っていました。

目標は達成していましたが、「たまたま運がよかった」ではなく、自分がどんな工夫や行動を心がけたかをしっかりアウトプットしたのです。上司も細かく行動を把握できているわけではありません。部のメンバーと相対評価する際には、プロセスデータが説得力を持ちます。そのことが、結果として評価アップにつながったと感じています。

多くの人は目標数字をクリアすれば、「これで評価される」と安心し、結果報告のみになってしまっているのではないでしょうか。そこで一歩踏み込んでプロセスの分析を行い、再現できる状態にすることで、場当たり的な仕事や自転車操業にならない「ノウハウ」となると感じます。

「ここぞ」というタイミングでアクセルを踏み込む

評価・信頼を得るためには、当然、担当業務でしっかり成果を挙げることが重要です。しかし、常に成果を挙げ続けるのは大変です。そこで、ここぞというタイミングを見極めることが大切です。「この案件で成果を挙げれば、1つグレードが上がる」――そういうチャンスが訪れたとき、ぐっとアクセルを踏み込むのです。

他部署の「社員向け調査」に率先して協力

会社組織には、担当業務とは別の「役割」が発生するものです。例えば、人事制度を刷新したり、社内システムを改善したりする場合、そのユーザーである社員にヒアリングを行って意見を集めたりしますね。そうした機会があれば、私は率先して協力していました。

それによって依頼元の部署の担当者に喜んでもらい、信頼関係を築いたのです。

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自分の「成功ノウハウ」を発信・共有

これは、セルフブランディングを意識して行ったわけではないのですが、結果的にはブランド構築につながった取り組みです。社内勉強会を主催し、営業活動の中での成功事例、そのノウハウを皆に共有したのです。

私は「一人でも多くの人のハッピーキャリアをつくる」ことをミッション・ビジョンとして掲げていたので、成功ノウハウをメンバーたちに伝え、チーム全体の力を高めることでそれを実現したいという思いがありました。そこで、自身が営業活動で「やっててよかった」と思うこと、かつ他の人でも再現できるようなことを「型化」し、勉強会を開いて皆に共有したのです。

すると、他部署から、さらには支社から「うちでも勉強会を開いてほしい」の声が寄せられるように。そうして、「講師・森本千賀子」の名は全国の拠点へ、さらにはリクルートグループ内の他社にも広がっていったのです。

なお、リクルートでは「組織貢献」も評価軸の一つとして重視されています。ノウハウやナレッジを共有する行動はプラス評価され、これもブランドアップにつながりました。

メディアで自分の「得意」を発信

会社に取材依頼が来たり、会社がメディアで情報発信したりする機会があれば、積極的に取材に協力しました。そうすることでメディアの人たちとのネットワークができ、「今度こういう企画があるんだけど、出てくれませんか?」という依頼が寄せられるようになりました。

メディアの力を実感したのは、31歳のとき、『日経アソシエ』の「手帳の活用法」という特集記事の取材に協力したときのこと。私が新人時代に営業を担当し、異動後は疎遠になっていたある不動産会社の社長がその記事を見てお手紙をくださり、10年ぶりに再会を果たしたのです。

メディアは人との縁をつないでくれるものだと感じ、以来、取材は断らずに受けるようになりました。そして、私の記事を読んだNHKのプロデューサーさんからお声がけいただき、『プロフェッショナル~仕事の流儀』への出演につながったのです。

なお、取材を受けるにあたっては、先ほどお話しした「成功ノウハウを皆に向けて発信・共有」という行動習慣がとても役に立ちました。

自分自身の日々の行動について、どうすれば同僚や後輩たちが再現できるのか、型化して共有できるのかを常に考えていた――つまり、自分の行動を客観視して言語化できていたので、メディアの取材で「読者の役に立つノウハウを教えてください」と言われたら、スラスラと答えられたのです。11冊もの書籍を出版できたのも、そのおかげだといえます。

誰もが独自のノウハウ・情報・行動習慣を持っているはずです。自分にとっては当たり前のものでも、他の誰かにとっては「ぜひ知りたい、価値あるもの」かもしれません。

自分を客観視し、特徴的なものを言語化し、アウトプットしてみる。それが思いがけず他者からのリスペクトを集め、あなたの「ブランド」に育つかもしれません。

昨今は交流サイト(SNS)などを使って、自分の「得意」を手軽に発信できます。メディアもSNSの中で「取材先候補」を探していますので、目に留まって取材を受ければ世間での認知度が一気に広がり、新たな仕事を呼び寄せる可能性があります。そのようにして、自分の得意領域でのブランド価値を積み上げていくこともできます。

また、「書籍の出版」も、近年は低コストでスピーディに実現する手法があります。

自分を発信していくためには、得意領域のテーマについて本やセミナーなどでインプットを続けることも大切です。セミナーやワークショップでは、他の参加者と積極的にコミュニケーションをとり、SNSでつながるなどすれば、さらにネットワークの拡大、セルフブランドの拡大を図っていけるでしょう。

「ブランド」と聞くと、高級・高尚なものをイメージするかもしれません。けれど、実はごく身近なことからスタートし、徐々に信頼を積み重ねていくことで、いつの間にか築くことができているものだと思います。

森本千賀子

morich代表取締役兼All Rounder Agent。リクルートグループで25年近くにわたりエグゼクティブ層中心の転職エージェントとして活躍。2012年、NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演。最新刊『マンガでわかる 成功する転職』(池田書店)、『トップコンサルタントが教える 無敵の転職』(新星出版社)ほか、著書多数。

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