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コロナ下でも欲しい人材 引く手あまたの職種・経歴

経営者JP社長 井上和幸

仕組みを変える力を持つリーダーには引き合いが強い。 写真はイメージ =PIXTA

求人市場全体にいよいよ暗雲が垂れ込めてきました。これから当面、おそらくは少なくとも2020年内中は求人市場全体、その中でも若手・中堅層と非正規雇用についてはかなり厳しい転職市場となると思われます。その一方で、堅調(一部は過熱とも思われる)なのがミドル・シニアの幹部層求人です。ウィズコロナ下で大ダメージを受けている、いくつかの産業ではさすがに幹部採用も保留や中止となっていますが、それ以外の業界では水面下での幹部採用が活発化しており、一部では争奪戦ともなっています。今回は経営者JPが実際に依頼を受けている幹部案件の最新情報から、具体的にどのような層が活況なのかについてリポートします。

統計数字を整理しておきましょう。厚生労働省が発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)は1.20倍と前月から0.12ポイント低下。下げ幅は1974年1月以来、46年4カ月ぶりの大きさとなっています。総務省が発表した5月の完全失業者(原数値)は198万人と、前年同月から33万人の増。5月の完全失業率(季節調整値)は2.9%と前月から0.3ポイント悪化し、17年5月以来の高水準。就業者(原数値)は6656万人と前年同月比で76万人減少しました。

完全失業率は3カ月連続の悪化、就業者は2カ月連続の減少で、減少した76万人中の61万人が非正規の職員・従業員です。新卒市場についても、リクルートキャリア就職みらい研究所調べによると7月1日時点の大学生(大学院生除く)の就職内定率は73.2%で対前年11.9ポイントの悪化となっており、これまでの活況から一転して厳しくなっています。

DX推進リーダーは幅広い企業群で引く手あまた

今、活況な職種には、まず第1群として「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推し進めてくれるリーダー人材」を求める各社の動きが挙げられます。まさにニューノーマル(新常態)、アフターコロナに向けて自社の事業転換を急ぐ動きが水面下で活発化していて、それをリードしてくれるCxO(経営幹部)人材、関連部署の責任者・リーダーを求める企業が増えています。

ある大手流通企業では自社としても業界としても「周回遅れ」といわれるデジタル化に一気に追いつき、世間標準を超えようと、異業界からデジタル化をけん引してきた幹部人材を招きました。専門部署を創設し取り組むことで、メディアでも取り上げられるようなサービスや自社内の業務改革を実現し始めています。

別の成長サービス系企業では、これまでリアルチャネルでの販売が主であったものを、デジタル・電子商取引(EC)をメインに、主従関係を一気に逆転させようと、デジタルマーケティングからEC関連、サプライチェーン・マネジメント(SCM)などを刷新すべく、関連部門のデジタル推進で実績を上げてきた外部幹部人材の採用を進めています。

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「攻め」の企業が求める、改革・強化のリーダー人材

小売りやアパレルでは、自社のD2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー)を実現してくれるリーダーが求められています。流通・小売り・商社などでは、デジタルを基軸としたSCM改編に着手してくれる責任者。BtoC(個人向け取引)からBtoB(法人向け取引)まで多くの企業で、自社が保有する顧客ビッグデータの戦略的活用を手がけてもらえる専門幹部が必要になってきました。営業を強化したい企業では、業種・業界を問わず、デジタルマーケティングのエキスパートマネジャーが望まれています。あらゆるものがネットにつながるIoTを推進する責任者は製造業でニーズが高まっています。

これらのテーマで成果を上げてくれそうなミドル・シニアに、企業・経営者の目が向かっています。

事業責任者を求める新興ベンチャー・成長企業

次に第2群として、「事業拡大を成し遂げてくれる事業責任者」を求める新興ベンチャー・成長企業各社があります。

新型コロナの影響で、どの分野の企業も売り上げ・利益の確保が喫緊の課題となっています。多くの既存企業では何としても売り上げを確保しなければならない状況に迫られています。あるいはこの環境下、デジタルソリューション、オンライン関連サービスを展開する各社には追い風ですので、ここで一気に事業拡大を加速したいという「攻め」の企業も少なくありません。

特に今は、成長ベンチャー、中堅クラスの成長企業の間で、事業責任者、最高執行責任者(COO)、経営企画責任者、事業開発責任者のニーズが強くなっています。当社でも「力のある方に、早めに着任してもらえないか」という依頼が数多く寄せられています。

時節柄、やはりデジタル系、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)関連で引き合いが多くなっています。デジタルコマース関連でのBtoB、あるいは企業を通じて消費者に提供する「BtoBtoC」ビジネスも勢いが増しているようです。

新規株式公開(IPO)を目指すベンチャーのうち、推進役となるCOOや強い事業責任者がまだ不在という企業では、ふさわしい人材を獲得したいという動きが目立ちます。

これまではマーケティングだけで顧客を獲得してきたが、今後はエンタープライズセールス(大手を中心とする法人への直接営業)で販売を拡大したいというケースでも、この業務領域で自社に新たな営業体制、営業チーム、事業企画・事業開発専門部隊を育てて、事業を推進してもらえるリーダー人材の参画を、経営者が熱望しています。

こういった領域で実績を上げてきた人、今後のセールス方法や体制を組み上げるノウハウを持つマネジメント層には、新しい事業・企業でその手腕を発揮できるチャンスがあるでしょう。

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CFO、CHOなど、管理部門強化人材は引き合いが強い

活発な幹部採用市場としては、最高財務責任者(CFO)、最高人事責任者(CHO)などの管理部門強化人材があります。管理部門マネジメント人材は、2008年のリーマン・ショックの影響が残る09年~10年においても活況でしたが、この層は今回も引く手あまたで、当社にも非常に多くの依頼が寄せられています。

特に今は大手からベンチャーまで、CFO人材のニーズが非常に高い状況です。最も活発なのは、資金調達をしているベンチャー各社が、IPOを視野に入れた管理部門体制構築・強化に向けて、CFO・管理本部長・経理財務部長クラスを求める動きです。

また、象徴的にはベンチャーでのニーズが目立ちますが、現時点で経理財務体制、人事体制、管理部門体制に脆弱性を抱えている中堅・大手各社も、このタイミングで管理部門体制の強化に着手しており、「良い方を早めに」と依頼が日々入る状況です。

人事系の特徴としては、ビフォーコロナでは採用や教育、制度といったテーマごとの強化を担うマネジャー人材のニーズが多くありました。ウィズコロナ以降はCHO・人事部長といった人事全体を統括、改革、推進してもらえる人材を求める要請が強くなっています。法務や広報、情報システムなどについても、経営の最重要テーマと位置づけている企業では、実力を備えた専門マネジメント人材の早期着任を求める声が上がっている状況です。

非常事態の下、あらゆる業界、ステージの企業が自社の体質強化に動いています。管理機能を強化・改変してくれるミドル・シニアから力を借りたいと切望する企業も増えている状況です。

ここまでお伝えした通り、ウィズコロナ下で企業の対応は「待ったなし」です。転職を考えているミドル・シニアは自身の強み・武器を明確にして、その力を求めている企業への参画を検討すれば、良縁を得やすくなっているのがウィズコロナ転職の特徴といえるでしょう。ぜひ、各社の取り組みに貢献する形で活躍してほしいと願っています。それがこの厳しいコロナ禍から私たちの未来を切り開く、最大の原動力であり日本の武器ですから。

井上和幸

 経営者JP社長兼CEO。早大卒、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、リクルート・エックス(現リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。「社長になる人の条件」(日本実業出版社)、「ずるいマネジメント」(SBクリエイティブ)など著書多数。

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