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「NPOで副業」から身に付く人脈とビジネス力

エグゼクティブ層中心の転職エージェント 森本千賀子

NPOへの参加は、多様な人たちとの出合いにつながりやすい(写真はイメージ =PIXTA)

「複業」「パラレルキャリア」という概念が近年、一段と広がってきました。従業員の副業を解禁する企業も増えている今、「どんな副業を選べばいいのだろうか」と思案している人は多いのではないでしょうか。今の副業は、単にプラスの収入を得る目的だけではなく、人材として成長し、価値を高め、将来のキャリアの可能性を拡大することにつながる仕事を選ぶことをお勧めします。今回は副業先の選択肢として「NPO」に注目してみましょう。

NPOで働く経験をすると、一般的な企業では得られないものを得られることがあります。それは新しい経営的視点や価値観であったり、ビジネススキルであったり、人脈であったり。副業あるいはボランティアという形でも経験する価値があると思います。そのメリットの数々についてお伝えします。

まずは私自身の経験からお話ししましょう。10年ほど前まで、多くの皆さんと同様、私にとってNPOは縁遠い存在でした。けれど、世間で社会貢献に関する意識が高まっていくのは感じていました。2011年の東日本大震災以降、ボランティア活動に携わる人が増えていく中、転職エージェントとしてビジネスパーソンの皆さんと仕事観について話していると、「社会的意義」「社会貢献」などを語る人が多くみられるのです。

私が理事として参加したのは、一般社団法人の「ソーシャル・インベストメント・パートナーズ(SIP)」。NPOやソーシャルベンチャーなど、社会的事業に資金面・経営面での支援を行う団体です。主に「教育・若者の就労支援」「育児・女性の活躍」「地域コミュニティー」などのセクターを支援しています。

その後、SIPの支援先の一つである「放課後NPOアフタースクール」の理事にも就任しました。こちらは、小学生の学童保育を学校内で運営するNPOです。

私はこの2つの団体の理事として、経営課題の解決、組織づくり、人材紹介などの支援を行っています。SIPでは資金提供者と資金提供先の開拓も担っています。

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NPO活動に参加することで得られるもの

こうしてNPOの活動に参加してみて、一般企業で経験を積むのとは異なる価値を得られていると実感しています。それは私が「理事」だからではなく、運営スタッフやボランティアの立場で関わったとしても同様に得られるものと感じます。具体的にご紹介していきましょう。

事業や仕事の「本質」をつかむ視点

株式会社においては、株主に利益を還元する必要がありますから、やはり「収益」を第一に考えて、事業やサービスに取り組みます。一方、NPOでは、課題をどう解決するか、目の前の人にどう役に立つかなど、「社会貢献」に焦点をしぼって考え、実行します。

社会や人のニーズをつかみ、それに応える――。そんな「事業の本質」「仕事の本質」に向き合う機会となるのです。会社員の立場では、それだけに終始するわけにはいきませんが、事業やサービスの企画をするプロセスで、根本的かつ重要な視点を身に付けられるのではないでしょうか。

「報酬」で釣らない組織マネジメント手法

一般企業の場合、成果(収益)を上げた報酬として「給与アップ」「ボーナス支給」を提示できますが、NPOでは大幅な昇給を前提とすることはありません。金銭面以外での対価を示し、ビジョンを語ることによって、スタッフのモチベーションアップやエンゲージメントにつなげ、メンバーの力を引き出す組織マネジメントが重要となります。そうしたマネジメントスタイルを見て学べることも、本業でのチームマネジメントに生かされると思います。

本業ではできないビジネス経験

これは小規模ベンチャーとも共通していますが、NPOは少人数で運営されているケースが多く、1人が複数の業務を兼務します。ですから、本業の会社組織では関われない役割や業務を担う機会もあり、ビジネス経験の幅を広げやすいといえます。また、多くの場合は資金が潤沢でないため、最小限のコストで最大限の効果を上げる工夫をする経験も、ビジネススキルアップにつながるでしょう。

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社会貢献や人脈づくりにも効果

「ありがとう」の言葉

本業の内容によっては、普段の仕事の中で、直接「感謝される」といった機会が少ない人も多いかと思います。NPOの活動は、困っている人の課題を解決したり、支援したりすることが多いので、サービス受益者から直接「ありがとう」「助かった」の言葉を聞ける機会があります。

それによって自分の「存在価値」「必要とされる喜び」を感じることができれば、本業で抱えているストレスが解消されたり、承認欲求が満たされたりして、自身にエネルギーを充填することができるのではないでしょうか。

幅広い人脈づくりのきっかけ

NPOには元経営者、ハイレベルな知識を備えた専門家、大学教授などが理事として参加しています。私はエグゼクティブ層専門の転職エージェントとして経営幹部クラスの人たちと多くお付き合いをしていますが、40代後半~50代ともなると、「これまで築いてきたキャリアの集大成として、社会貢献につながる活動がしたい」と語る人が少なくありません。実際、会社経営をしながら、NPOの理事を務めている人も多いのです。

また、この数年、企業では「SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)」への取り組みが広がってきました。「SDGs」の目標は、教育、健康・福祉、ジェンダー平等、自然環境保護など、NPOの活動目的とリンクしています。そこで、企業のCSR(社会的責任)担当役員の方などがNPOに関わっているケースも多数あります。

こうした、普段ではなかなか接点が少ないエグゼクティブクラスのビジネスパーソンと、NPO活動を通じて交流を持つ機会があります。貴重な人脈が得られるとともに、高度な知識・経験を持つ彼らから学びを得ることができます。

一方、NPOには主婦や学生、リタイアした高齢者など、幅広い人がボランティアとして参加しています。ちなみに私の場合、NPOの活動を通じて、プロアスリートの人たちとの人脈も築くことができました。会社と自宅を往復しているだけでは出会えない人と出会い、一緒に働くことで、視野を広げられるでしょう。

NPOを選ぶポイントは、ビジョンと活動内容に共感できるかどうか

NPOで働いてみようと考えた場合、アプローチの方法はいくつかあります。求人サイトでアルバイト・パート、業務委託スタッフを募集していることもありますし、NPOのサイトでも直接スタッフを募集しています。もちろん、ボランティアスタッフも常に募集しています。

「内閣府NPO」のサイト(https://www.npo-homepage.go.jp/)では、全国のNPOの情報を検索できます。自分が課題意識を持っているテーマ、興味あるテーマに取り組んでいるNPOを探してみてはいかがでしょうか。公式サイトやニュースリリースなどを読んで、自分がビジョンや活動内容に共感できるかを確かめてみてください。

そして、まずは興味を持ったNPOが主催しているイベントなどにゲストやボランティアなどとして参加してみるのがお勧めです。主宰者や運営メンバーと実際に接してみて、一緒に働きたいかどうかを見極めてはいかがでしょうか。

森本千賀子

morich代表取締役兼All Rounder Agent。リクルートグループで25年近くにわたりエグゼクティブ層中心の転職エージェントとして活躍。2012年、NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演。最新刊『マンガでわかる 成功する転職』(池田書店)、『トップコンサルタントが教える 無敵の転職』(新星出版社)ほか、著書多数。

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