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コロナで変わる転職市場 来年はオンライン化一段と

エグゼクティブ層中心の転職エージェント 森本千賀子

リモートワークの採用状況は人材獲得の成否を左右するようになってきた(写真はイメージ) =PIXTA

2020年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、世の中が大きく様変わりした1年でした。今回は、この1年、転職市場や転職希望者の人たちがどのように動いたかを振り返るとともに、現在の状況をお伝えします。

まずは、企業側の採用の動きです。この連載で5月にお届けした記事(コロナ危機で求人増やす企業も 採用強気業種の共通点)でもご紹介したとおり、時代の変化に対応するために事業モデルや業務オペレーションの「変革」を図る企業、コロナ禍をビジネスチャンスととらえて攻める企業、他社が採用を控えている今が優秀な人材を確保するチャンスだと考える企業などで活発な採用が続きました。

特に、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する人材のニーズが一気に高まりました。

あれから半年以上を経た現在の採用市場はというと……「戻ってきた」と感じています。もちろん、飲食や観光関連などコロナ禍のダメージが深刻な業種、また、第二新卒層を対象とする「ポテンシャル採用」などは冷え込んでいますが、それ以外に関してはコロナ前と変わらない水準へ、採用活動が戻ってきているのです。

「オンライン面接」はメリット大 多くの企業で定着

多くの企業はすでにオンライン面接の体制・ノウハウを確立しています。当初は「面接はやはり対面で行わなければ、人物を判断できない」という懸念の声が聞かれましたが、今では「対面面接でなければならなかった理由って何だろう?」と言われるほどです。

もちろん、最終面接やその1つ手前の段階で直接対面する機会が設けられるケースが多いのですが、一度も直接会うことなく採用が決まるケースも多数。それでも「全く問題ないね」と、企業は確信を得たのです。

むしろ「メリット」を挙げる声が多数あります。面接時間を柔軟に設定できるので、選考がスピーディーに進む、しかも遠隔地に住む人との面接も可能……ということで、オンライン面接はすっかり定着しました。お互い気軽につながることができるので、「カジュアル面接」も増えています。

こうした採用スタイルは21年も続いていくでしょう。

各社はオンラインでのオンボーディング(入社後に定着するための支援)や研修、メンバー同士のコミュニケーションの仕組みづくりにも取り組んでいます。21年はリモートワークでも転職者がスムーズに会社になじみ、活躍できる環境がさらに整っていくと期待できそうです。

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21年も転職市場のキーワードは「DX」

20年にはDXを推進する人材のニーズが高まりましたが、その傾向は21年も続くでしょう。10月の記事(DX時代こそ必要なスキル デジタル力より、まず動く力)でもお伝えしたとおり、イノベーション創出を目指す「攻めのDX」、業務効率化やコストカットを図る「守りのDX」の両面で人材ニーズがあります。

今はまだDXの経験者が少ない状況といえます。IT(情報技術)分野の知識やDX関連の経験がなくても、「変革」の経験や意欲を持つ人が採用に至っています。

デジタルの活用は、一時的なブームなどではなく、この先もテクノロジーの進化とともに続いていきます。この機会に、DXの経験を積んでおくことが、この先のキャリアの選択肢の拡張につながるかもしれません。

「変革やDX推進を手がけてみたいが、今の会社は消極的だ」など、もどかしさを感じている人は、転職あるいは副業によって携わるチャンスを探ってみてはいかがでしょうか。

21年には「ワクチンの普及」という明るい兆しもみえてきています。景気が戻ってきたとき、すぐにアクセルを踏み込めるように、採用を強化する企業は少なくありません。

この12月に新規株式公開(IPO)を果たした企業もあり、証券会社のある役員が言うには、こういったIPO傾向は続くと見込まれているようです。資金調達に成功し、体力を強化して攻めようとしている企業にも要注目です。チャンスへのアンテナを張っておくことをお勧めします。

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「変化」への免疫力をつけようとする意識が高まる

一方、働く人たちの意識や価値観も大きく変わっています。20年、特によく聞こえてきた声は次のようなものです。

「“安定”なんて、もうどこにもないですよね」

「変化に対応できる自分になっておかなければいけませんよね」

何年も前から、名だたる大手企業が「終身雇用を維持できない」と宣言したり、業績好調な中でも早期退職制度を推進したり。直近では「ジョブ型雇用」を打ち出したりする中で、「大手企業に勤務していても安定は望めない」という意識が広がってきていました。

そこへもってコロナ禍がダメ押し。働き方においても生活においても急激なパラダイムシフトが起き、いよいよ「変化対応力」の重要性が身にしみた人が多いようです。「変化に対する免疫力をつけなければ」と。

一昔前、大手企業で10年以上も経験を積んだ人であれば、「私のキャリアならどこにでも転職できるだろう」と自信にあふれていました。今は違います。「30代になって1社しか経験がないなんてヤバくないですか。こんな私でも転職できるでしょうか」。こういった不安を漏らす人が増えているのです。

そんな思いから転職に踏み切る人もいます。今の会社を辞めたくない事情がある人は「副業(複業)」へと向かっています。副収入を得ることを主目的とせず、「新しい経験・スキルを得たい」という目的で異業種を副業先に選ぶ人が多くみられます。

コロナ禍でリモートワークが定着したことで、より副業(複業)に取り組みやすい環境となりました。21年も、副業(複業)というスタイルで新たなチャレンジをする人が増えることでしょう。

「リモートワーク」を条件に転職先を検討する人が増加

「リモートワーク中心で働きたい。それが可能なら、どの地域にある会社でもかまいません」。転職の相談を受けていると、そんな声も増えてきました。

つい先日、ファイナンスのプロフェッショナルの人と話しました。非常に優秀で、最高財務責任者(CFO)として引く手あまたとなるであろうその人は大阪在住。大阪に住み続けることを希望し、「リモートワーク主体であれば、東京の企業でも、その他どの地域の企業でもいい」と、全国の求人を対象に検討することになりました。

コロナ禍を機に始めたリモートワークの生活スタイルにメリットを感じた人は多く、転職先として「リモートワークOK」の会社を希望するケースが増えています。

優秀な人ほどセルフマネジメント力が高いので、リモートワークのほうが生産性が高まり、かつゆとりを持って暮らせる、新たな勉強をするための時間も確保できると、その魅力に気付いたというわけです。

今後は、リモートワークと出社を適切に組み合わせ、ハイブリッドな勤務体系を確立した企業に優秀な人材が集まるようになると思われます。企業は人材獲得のためにも、リモートワークを取り入れた新しい働き方を開発していく必要性がより強まったのではないでしょうか。働く人にとっては、働き方も住む場所も、さらに選択肢が広がっていくと思います。

この年末年始、皆さんもこの先のキャリアをどう築いていきたいのか、どんな場所でどんなライフスタイルを実現したいのか、じっくり考えてみてはいかがでしょうか。家族と相談するにも、いいタイミングだと思います。そして頭の中でイメージするだけでなく、ぜひアクションプランにまで落とし込んでみることをお勧めします。

森本千賀子

morich代表取締役兼All Rounder Agent。リクルートグループで25年近くにわたりエグゼクティブ層中心の転職エージェントとして活躍。2012年、NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演。最新刊『マンガでわかる 成功する転職』(池田書店)、『トップコンサルタントが教える 無敵の転職』(新星出版社)ほか、著書多数。

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