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出典:NIKKEI STYLE 出世ナビ 次世代リーダーの転職学

40代に向け伸びるか停滞するか 転職左右する3つの差

経営者JP社長 井上和幸

理想のリーダーは「勝ちきる、学び続ける、前向き」の資質を兼ね備える(写真はイメージ) =PIXTA

かつて「35歳の壁」「35歳転職年齢限界説」がいわれていましたが、それも今や昔。30代後半から40代に差し掛かる世代こそ、令和の転職市場の黄金世代と呼べるほどの活況を呈しています。この世代で力のある人たちの引く手あまたぶりたるや、エグゼクティブサーチコンサルタントである私たちも目をみはるほどです。しかし、この年齢における期間中の仕事のこなし方、職場の選び方次第で、その後の40、50代での人材価値が大きく二極化するのもまた事実です。その差を分ける、3つの姿勢を紹介しましょう。

勝ちにこだわる、「チームで最も諦めの悪い人」

40代に向けて伸びる人と停滞する人の差を分ける3つの姿勢、その1は、「自分が所属しているチームで絶対に勝ちたいと思っている」か否かです。

チームの「勝ち」(業績、成果)に徹底的にこだわり、そのために尽力できる人か否か。これが、転職市場で求められるか否かも決定づけ、その後の当人の成長も方向づけるのです。

転職にあたって社長面接では「なるほど、このときにやられていた取り組みは興味深いね。詳しく教えてもらえるかな?」と質問されることがあります。ここであなたは、自分のアイデアや仕掛け、結果としてあげた業績について誇らしげにとうとうと語ることと思います。もちろん、それでよいのですが、社長がこのときに見ているのは、実はそうしたこと以上に、あなたがどれくらい執念を持ってそのことを成功させようとしていたかという部分なのです。

伸びる企業の幹部陣や社長が、30代後半から40代前半のリーダー人材の何を見ているかといえば、その人の「勝ちに対する執念」です。その時々の目標にどれだけこだわり尽くしてきた人なのか。達成や勝ちに対する執念を持つ人こそが、転職先で困難を乗り越えて成果を出してくれる人であり、入社後も成長を続けてくれる人だからです。

採用する側としては、この部分の見極めに妥協してはなりません。私もこれまで、面接・面談時には「ミッションコンプリート」に成功してきたように言っていた人が実際にチームに参画すると、全く中途半端な動きしかしない・できないというケースを、嫌というほど見てきました。象徴的なパターンとしては、短期離職を繰り返してきた人。残念ながら、この手の人には、勝ちにこだわり、結果を出しにいける人は少数と思われます。

勝ちにこだわれる人というのは、社会人として過ごしてきている中で、後天的に培われる体質的な部分が多分にあります。「チームで最も諦めの悪い人」が、やはり最終的に最も伸びる人です。

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自己投資癖と試行錯誤力

40代に向けて伸びる人と停滞する人の差を分ける3つの姿勢、その2は「懸命に学び、試す」人か否かです。

試行錯誤を粘り強く続けることができる体力は、1つ目の「勝ちにこだわる執念」と相関していますが、仕事のために自己投資できるかというのもまた、後天的に養われる習慣的な部分があります。

私が見る限り、仕事のための自己投資癖は、おおよそ30代半ばまでで習慣づけられるようです。何か新しい業務に直面すると、最初はそれを習熟するために先輩に聞きまくり、関連書籍を読みあさり、場数を踏むために自ら類似の業務に手を上げ続ける――。業務のプロ化を図る人は、このようなことを(おそらく本人は無自覚的に)繰り返すことで専門家になっていきます。このタイプの人は、「その道のプロ」を目指す過程で、自分なりの持論や一家言を持つようになります。

面接において、その候補者が「懸命に学び、試す」人かどうかを確認するには、その人の専門・スキルに関することを、どのように身につけたかと、その専門・スキルについてレベルの高低を決めるものは何だと思っているかについての2点を聞いてみるのがよいでしょう。

「すごいですね、そのスキルはどうやって磨かれたのですか?」

「その専門性のレベルを決めているものは、何なのですか?」

本当に極めている人は、よくぞ聞いてくれましたとばかりに、それぞれの問いについて具体的に、エピソード満載で語ってくれるはずです。その際の話の展開や幅で、その人の興味・関心の向きや広さも確認するとよいでしょう。

逆に、この2つの質問について、あいまいな話しか出てこない人は、懸命に学び、試すという姿勢・習慣を、あいにく持ち合わせていないと判断されます。

30代までに仕事における試行錯誤力、自身の研さん力を身につけた人は、40代以降も活躍し、さらなる成長を遂げます。企業としては当然のことながら、この素養を身につけた30代後半から40代前半のリーダー人材を採用したい。面接時の会話、あるいは職務経歴書の記述においても、具体的な試行錯誤エピソードがにじみ出ている候補者は「買い」です。

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前向きな姿勢と責任感を「感染」させる人

40代に向けて伸びる人と停滞する人の差を分ける3つの姿勢、最後の一つは、「周囲にポジティブな影響を及ぼし、周囲にも責任を持たせられる人」か否かです。

良い影響、前向きな姿勢を及ぼす30代リーダーこそ、40代以降に経営幹部として大成していく人です。「あの人の元にいると楽しい」「何か新しいチャレンジができそうだ」「あの人と一緒に働きたい」と思われる人が望ましいというのは、多くの人が共感するところでしょう。私は講演やセミナーなどで締めのメッセージとして「楽しそうでツイてそうなリーダーになってください」という話をいつもしています。

ただし、もう一つ重要なのが「周囲にも責任を持たせられる人」であること。要は、単に優しい人、怒らない人ではないということです。

こうした人とは、「自分が所属しているチームで絶対に勝ちたいと思っている」人であり、そのために「懸命に学び、試す」ことができる人と、重複するケースが多いようです。つまり、ここまでに挙げた3つの要素は一種の相関関係にあるように見えます。

いい顔をしたがる人、人間関係的な立ち回りばかりにかまけている人が、実は社会人の後半人生で出世競争から脱落していくのは、真に勝てるチームをつくれる人、そのために自分も努力し成長し続け、メンバーたちにもそれを求め続けることができる人ではないからです。

「ポジティブな姿勢、影響」というのは、「優しい、怒らない、ぬるま湯」とは別物です。転職活動中の皆さんには自分事として意識してほしい点です。一方、採用する企業側の経営者や採用責任者の皆さんは、この部分のキャラクターを見誤らないよう、お気をつけください。

30代半ば以降世代としては、「自分軸」ではなく「チーム志向、チーム軸」であるかも、要確認事項です。若手の頃は、まずは自己確立をしなければなりませんし、実績も自信もない世代で、ある面、自分ファーストなくらいでなければ土台を確立できません。

しかし、「35歳の壁」をまたぐところで、自分ファーストからチームファーストへの転換ができていない人は、40、50代において大きな成果を期待することは難しく、それ以上に組織の害となる可能性が高いので、採用時に最も気をつけるべき部分の一つです。いったん組織に入れてしまったら、終わりですよ。

最終的に自分たちを勝たせてくれる人、より良い世界に連れて行ってくれる人に、人はついていきますし、企業はそうした30代、40代、50代を採用したいのです。こうした人の下にいる同僚や部下たちは、彼ら自身の多くもまた、責任感を備えた人材となります。組織を預ける企業側とすれば、どの30代にチームを託すかは、短期的にも中長期的にも、当人だけの問題ではないのです。

令和における「新・35歳の壁」とは、40代以降に大成していく姿勢・資質を身につけている人か否かの境目を指しています。30代の人は3つの姿勢を強固なものとして「新・35歳の壁」を乗り越え、やりがいがあり、伸びしろの大きい40、50代に向かってください。

井上和幸

 経営者JP社長兼CEO。早大卒、リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、リクルート・エックス(現リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に経営者JPを設立。「社長になる人の条件」(日本実業出版社)、「ずるいマネジメント」(SBクリエイティブ)など著書多数。

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